いくつかの商品を組み合わせてセット商品としてPOSに登録して販売するケースがよくあります。dPackではこのようなケースにも対応できるよう「材料構成」という機能があります。
ここでは、「売上管理する商品と在庫管理する商品が異なるケース」の説明をします。
(1)POSと自動連携している場合
もし、環境設定で「商品マスタと材料マスタを自動連携する」設定(お客様と相談の上、当社が初期設定します)をしている場合、POSで登録された商品がそのままdPackの商品マスタと材料マスタに自動連携されています。
POSで「セット商品」を登録したときのdPackのマスタ類との関係は以下のとおりです。
POSでの設定 | dPack商品マスタ | dPack材料マスタ |
「セット商品」 | 「セット商品」 | 「セット商品」 |
このように、自動連携しただけでは、まったく同じ「セット商品」がすべてのマスタに自動連携されます。このままでは、在庫を管理している「dPack材料マスタ」で在庫を減らすことができません。例えば実際にやりたいことは、
POSでの設定 | dPack商品マスタ | dPack材料マスタ |
「セット商品」 | 「セット商品」 | 「商品A」 「材料B」 |
のように、セット商品が販売されたら、材料マスタに登録された品目の在庫が減少するようにしたいです。
この後者のマスタ設定であれば、
- POSで「セット商品」が販売されたら、
- dPack商品マスタの「セット商品」を売上したと記録し (←売上の管理)
- dPack材料マスタの「商品A」「材料B」を在庫から減らす (←在庫の管理)
という内部処理が自動的に行われます。
この内部処理の2.と3.の関係を実現しているのが、「材料構成」です。
「材料構成」画面は、商品マスタの上部タブにある「材料構成」を選択すると表示することができます。
「材料構成」の画面で、商品と材料が2行に分かれて表示されています。これは、上段の「商品」が販売された時に、下段の「材料」を員数1だけ減少させるという仕組みを表しています。これは他の商品と同じように「商品と材料が1対1の関係にある」ことを表しています。
前述したように自動連携で「セット商品」が材料として登録されて1対1の関係になっています。このままでは、在庫引き落としが「セット商品」という名前の材料で行われてしまいます。ですので、セット商品の時だけはこの「1対1の関係」を解消して、新しく「1対多」の関係を設定することで、在庫引き落としを自動的に行うことができます。
まず、「訂正」ボタンを押して、在庫引き落とししたい材料を登録するために「追加」ボタンを押します。
材料マスタの材料が一覧表示されます。
材料マスタの一覧から、登録したい材料をチェックで選択して「選択」ボタンを押します。(ここでは、高砂昆布が「商品A」松茸昆布が「材料B」と例示しています)
すると、先ほどの「材料構成」画面で、新しく2つの材料が登録されていることが確認できます。このとき、セット商品に含まれる個別の材料の個数も「員数(いんずう)」として登録します。
例えば、1つのセット商品に3つの材料がセットされる場合には員数は3です。(例えば「商品A」が1個に「材料B」が3個の詰め合わせという場合に使います)
最後に、最下行の材料「セット商品」は不要ですので、右端の削除チェックを入れて、「保存」ボタンを押します。
これで、商品「セット商品」が販売されると、材料「高砂昆布」と「松茸昆布」が1つずつ在庫引き落としされる設定が完了です。
ご注意 |
お客様と相談して最初に行う環境設定によっては、商品マスタから材料構成を修正すると、上記のように材料のPLUコード(JAN)が表示されなくなることがあります。これは「材料」が「PLUコード(JAN)」との関係を失った状態ですので、このままの状態だと、バーコードを使用した棚卸が出来ません。 その場合には、POSの商品マスタが更新されたとき(例えば、新しい商品が追加になった時など。何も変更せず保存ボタンを押すだけでもOK)に、表示されなくなったPLUコードが、もう一度POSと自動連携して表示され、バーコード棚卸が出来るようになります。(下図参照) |
(2)POSに登録されていない材料の引き落とし
セット商品には、個別の商品だけでなくその包装容器も必要になる場合があります。また、お弁当などの場合には食材だけでなく調味料や弁当箱などの消耗品も在庫から引き落としたいというケースもあります。
ところが、包装容器や調味料などは、POSに登録されることはほとんどありませんので、上記の自動連携では材料マスタに自動連携されていません。
その場合、次のように材料マスタだけに登録することで、その在庫を管理することができます。
POSでの設定 | dPack商品マスタ | dPack材料マスタ |
(登録なし) | (登録なし) | 「包装容器」 |
次の設定例は、タルタルソースと弁当箱(タッパ)を在庫から引き落とすために材料構成を設定した事例です。
このように、dPackでは材料マスタに消耗品を登録することで、消耗品の在庫管理も可能になります。