dPackには商品マスタと材料マスタがありますが、どのように使い分けますか?

dPackでは、経理処理で売上と仕入を区別して処理できるように、

売上で使用する品目を「商品」

仕入で使用する品目を「材料」

という名称で、区別して管理することができるようにしています。これは日本のほとんどの企業が、経理処理において三分法で処理しているため、その商習慣に沿って設計しています。

この設計によって、セット商品などの組み合わせ商品とバラ商品の在庫管理が実現できています。(セット商品の登録と在庫管理についてはこちらをご覧ください)

それでは、まず売上で使用する「商品」について説明します。

(1)商品マスタ 〜売上のために使う

メニューから「マスタ管理」>「商品関係」を選択すると、商品マスタに関係するメニューが表示されます。この画面にある「商品一覧」メニューが商品マスタの入り口で、その主な機能は次のとおりです。

  • 売上数や金額を集計することができる
  • POSと自動連携することができる
  • 販売単価(売価)を持たせることができる
  • 部門などで集計することができる

このように、POSとの連動や売上分析に使用するのが「商品」です。

商品一覧メニューを押し、次の画面で検索ボタンを押すと、次のように「商品マスタ一覧」が表示されます。

この画面では、POSから自動連携された商品が一覧表示されています。

例えば、この画面の「PLUコード」は、POSで登録されたJANコード(POSでは「商品コード」と呼んでいます)が自動連携されて表示されています。

ここでPOSの画面を見てみましょう。

POSで登録された情報とまったく同じ内容が、dPackの商品マスタに自動連携されています。

つまり、dPackの商品マスタは、

売上に関する集計をしたり分析するのに使用する=商品マスタ

と、覚えてください。

POSと自動連携している場合には、dPackの商品マスタは、ほとんど変更することがありません。POSでしっかりと正しいデータが登録されていれば、dPackではそのまま流用することができます。

(2)材料マスタ 〜仕入のために使う

メニューから「マスタ管理」>「材料関係」を選択すると、材料マスタに関係するメニューが表示されます。この画面にある「材料一覧」メニューが材料マスタの入り口で、その主な機能は次のとおりです。

  • 在庫を管理することができる
  • 仕入先に発注することができる(dPack Businessの機能になります)
  • 仕入単価を持たせることができる
  • 最終仕入原価法または月次総平均法で棚卸資産評価額を計算することができる

このように、仕入先との取引や在庫の管理に使用するのが「材料マスタ」になります。

材料一覧メニューを押し、次の画面で検索ボタンを押すと、次のように「材料マスタ一覧」が表示されます。

この画面では、発注にも使用する仕入単価や在庫数量を数えたときの計測単位(個やグラムなど)が表示されています。

つまり、dPackの材料マスタは、

発注仕入や在庫に関する集計や資産評価に使用する=材料マスタ

と、覚えてください。

(3)自動連携 〜面倒なマスタメンテから解放されるために

ところで、この画面例では、ほとんど商品と同じ品目が、表示されていますよね?これは、売上で使用する「商品」と、仕入で使用する「材料」がほとんど同じだからです。

その状態を、「商品と材料が1対1の関係にある」と呼んでいます。

これは小売店でよく見られるケースですが、それでも、仕入先への発注品名と売上でレシートに表示される品名を異なったものにしたいという場合もあるでしょう。そういう使い方に対応するために、商品マスタと材料マスタに区別しています。

ところが、その状態だと「商品マスタはPOSと自動連携だけれど、材料マスタは手入力で登録」することになり、とても手間がかかりますよね。ですので、

自動連携は商品マスタだけでなく、材料マスタにも自動連携できる

この機能は、dPackの初期設定で、お客様の希望により当社がシステム設定します。

小売店では、ほとんどの商品が材料と1対1の関係にあるので、この設定をあらかじめ行うことで材料マスタの登録メンテナンスからも解放されることになります。

商品と材料の関係が1対2以上の関係になる場合を「セット品」や「加工品」として管理したい場合は、こちらをご覧ください。

単品販売商品を複数買うと自動で値引販売できますか?

バンドル販売という販売価格の設定方法があります。単品で販売している商品が複数まとめて買ったら販売価格がバンドル価格に値引きされるという販売方法です。(例えば1足390円の靴下を3足まとめて買うと販売価格が1,000円に値引きされるケース)

NECモバイルPOSでは、このような販売方法を「企画商品」として設定することができます。

まず、NECモバイルPOSのポータルサイトから、単品販売する商品を登録します。

この商品が3個販売されたときに、まとめ買い1,000円で販売するために、合計で1,170円になるところを、値引き170円を自動的に追加することで、販売価格を調整したいケースを設定してみましょう。

(参考)
NECモバイルPOSではこの設定を「セットマッチ」といいます。

まず、企画マスタを開いて「企画追加」ボタンを押します。

「企画追加」ボタンを押すと、企画名称と企画期間の登録画面になります。

企画マスタは、季節限定での値引調整などに対応する機能ですので、ひとつの商品の特売だけでなく、その期間中にいろいろな特売企画が複数設定されることを想定しているので、まず企画名称でそれらをグループ化できるようになっています。

ここでは、特売セールという企画名称で4月18日から1ヶ月だけ特売期間を設定して、このグループ化する企画名称を保存をしました。

次に、「セットマッチ追加」ボタンを押します。

単品指定の「商品追加」ボタンを押して、さきほどの「靴下単品」を選択します。

売価変更区分から「セットで合計からNN円引き」を選択し、成立時合計値引き額に170円を入力します。

この値引きは靴下単品を3つ買うと成立する値引き条件ですから、成立数に3と入力しました。

この状態で保存します。

それでは、POSの画面をみて動作確認してみましょう。

まだ企画期間に入っていないので、靴下を3つPOSで追加しても値引きはされていません。

日付が変わって、企画期間に入ると、企画商品名称の左上にSのマークが表示され、それを3つ選択すると、自動的に値引き行が追加されています。

dPackでも次のように値引きを追加した状態でデータ連携しています。dPackでは売上を税抜で集計するので、内税部分も別行にしてデータ連携しています。

量り売りの商品は在庫管理できますか?

タンクや樽に入っているドリンク類を、タップなど蛇口からコップに移し替えるなどして販売することがありますが、dPackではそのタンク内の在庫を管理することも可能です。

ここでは、次のような販売形態について説明します。

POS商品 在庫管理したい商品
350mlのカップ 地ビール樽(20リットル)
500mlのカップ
1リットルのボトル

この例では、店頭に置かれているビールの入った樽があり、そこからお客様の買いたい量が入れられるカップやボトルを選択してもらって、その容器ごとに値段が決まっているという量り売りの例をみてみましょう。

(1)商品登録(バーコード管理したい場合)

まず、POSの商品マスタの登録は以下のように設定します。マスタは自動連携なので、在庫管理したい商品も登録しておきます。(JANコードを使いたい材料はすべてPOSから登録する必要があります)

もし樽の状態で販売しない場合には、画面上で間違って商品選択してしまわないように、POSの商品一覧画面で表示されないように、販売ステータスを「販売停止」の設定にすることで非表示にできます。(地ビール樽20ℓという商品をPOS画面では表示しないように設定しました。)

(注意)
この販売ステータスの設定は、後述するdPackへのデータ連携が完了したあとから行なってください。POSに新規登録した時に最初から「販売停止」に設定すると材料マスタのデータ連携が行われません。
もし、販売停止の状態で新規登録してしまった場合には、いったん販売中状態(販売停止の選択を外す)にすると、再度データ連携が行われて材料マスタの新規登録が行われます。

dPackには商品マスタと材料マスタに自動的にコピーされる設定をしているので、次のようにそれぞれ自動連携して品目登録されています。

dPack商品マスタ(売上分析用)にはPOS商品がそのまま登録されています。

(注意)
POSとdPackのデータ連携には少なくとも5分、長くて10分程度のタイムラグがあります。完全なリアルタイム連携ではありませんのでご注意ください。

dPack材料マスタ(在庫管理用)にもPOS商品がそのまま登録されていることが確認できました。

もし、この材料マスタに登録した品目で在庫管理や棚卸をするのなら、このままで良いのですが、量り売りの場合には、仕入先から納品された品目は「地ビール樽(20リットル)」ですので、その材料(仕入先の商品)を新しく登録します。

POSから自動的に材料マスタまでデータ連携した場合は、社内管理単位(在庫の数量の単位)が「個」になっていますので、ここで「ミリリットル(ml)に変更しました。

また、材料には在庫管理や棚卸にも参考にできるよう、写真画像を登録することができます。

ここで材料マスタを開いたついでに、地ビール樽から量り売りでビールを注ぐペットボトルを登録しておきます。

ペットボトルはそのまま販売することもなく、在庫管理にJANコードも使用しませんので、POSから商品登録する必要はありません。dPackの材料マスタから新規登録します。JANコードは無くても、欠品してはいけないので、在庫数だけは管理したいということがあり、消耗品としての在庫管理が可能です。

ここでは、材料コードをXから始まる10桁で消耗品だと判別しやすいように3種類の材料を登録しました。

(2)材料構成の変更

さて、次は販売する商品と在庫管理したい材料が異なることを構成マスタに登録していきましょう。もういちど設例を見てみます。

POS商品 在庫管理したい商品
地ビール350ml(のペットボトルで販売) 地ビール樽(20リットル)
地ビール500ml(のペットボトルで販売)
地ビール1リットル(のペットボトルで販売)

このように、POSでカップやボトルに詰められた商品として販売された場合に、在庫管理に使用するために登録した材料「地ビール樽」からその販売数量を引き落とししていきたいわけですので、次のように、商品と材料の関係を「材料構成」マスタを使用してその関係を登録します。

まず初めに、商品マスタから地ビール350mlの材料構成がどうなっているか見てみましょう。

この画面の上の段がPOSで販売される商品で、下の段が材料マスタの登録内容です。POSから自動的にデータ連携された直後は、上下が同じ品目で1対1の関係になっていることがわかります。員数が1になっていますから、商品が1個販売されると、材料が1個減るという関係を表しています。

これを、訂正ボタンを押して、次のように変更します。

元々関連づけられていた員数1の材料を削除して、別の材料「地ビール樽」を関連づけています。そして、員数を350ミリリットルにしています。さきほど、「地ビール樽」の在庫管理に使用する社内管理単位をミリリットルに変更しましたので、350mlが在庫から引き落とされるように設定しています。

これで販売される商品と在庫を引き落とす材料の関係は完成です。同様に、他の2種類の商品の構成も修正します。

(3)動作確認

それでは、実際の動きを見てみましょう。

まず、最初に地ビール樽20リットル入りを仕入したことを移動伝票で入力します。

20リットル入りの商品ですが、社内の在庫管理単位がミリリットルなので、移動数は20000ミリリットルで入力しています。単価もミリリットル単価に置き換えています。dPack Basicではこのように入力します。

(参考)
発注納品機能があるdPack Businessでは、仕入先への発注を20リットル入りの樽が「1本」という発注をして、納品時に「1本」で納品すると、自動的に「20000ミリリットル」に換算する便利機能があります。

この状態で、入出庫台帳をみると仕入数が記入されています。

それでは、次に、POSで実際に販売してみましょう。

次のように、各商品が1本づつ販売されたとします。

入出庫台帳では出庫数量を自動的に計算して在庫引き落としします。

2行目のPOS[売上]で、350ml + 500ml + 1000mlの合計、1,850mlが在庫から出庫されています。

このように、dPackでは量り売りの在庫数量も理論在庫を推計することが可能です。

ただし、ペットボトルに詰め替える時に溢れてロスが生じたり、蒸発や容器の移し替えによる歩減りなどの誤差は生じてしまいますので、在庫管理の目安としてお使いいただく機能です。

売り切れた商品をPOSで非表示にしたい(NECモバイルPOSの販売ステータスについて)

NECモバイルPOSには、商品が売り切れた時にその商品を販売できないようにする「販売ステータス」の切り替え機能があります。

POSでは、商品を素早く見つけ出すために、部門別に分類された商品選択画面が用意されています。タッチパネルで商品を選んで、販売することができます。

ここで、本日用意していた「おでん」が売り切れたとします。これから先は、おでんの注文を受けられない状態ですので、商品選択画面に表示せず選択されないように設定することができます。

販売ステータスを「販売停止」にすることで商品選択画面で表示されなくなります。

詳しくはこちらの動画をご覧ください。

シフト計画を作る画面ではどんな操作をしますか?

dPack Shift & Timeclockでは、勤怠打刻による実績シフトだけではなく、シフト計画として予定シフト、その作成の参考となる希望シフトの作成ができます。

スマホを使って各自のシフトに入りたい「希望」時間帯を入力してもらい、店長などのシフト管理者が、そのコピーを使って「予定シフト」を確定させていくという手順です。

ここでは、来週のシフトを作成するために、店長が希望シフトを入力するようにアナウンスしたところから、画面イメージをご説明します。

設例

【当日の日付】12月11日

【来週の日付】12月16日〜21日の7日間

シフトの社内運用ルール

一部の社員(名前:D.モーガン)と、アルバイト3名に対して、店長が希望シフトを入力するように依頼

店長と社員とシェフの3名は、アルバイトの希望を優先しながら予定シフトを決めていくようにしている

(1)画面上の操作イメージ

まずはじめに、画面の動きを動画でご案内します。

(2)希望シフトの入力

ここから、各画面の説明をします。

勤務時間を変則的に決定する従業員については、社員やアルバイトを問わず、希望する勤務時間帯(希望シフト)を申請することができます。

希望シフト入力をすると、カレンダーにその入力内容が表示され、希望内容が一覧で見ることができます。

ここでは、社員のなかでも勤務時間を変則的に希望することができる契約になっているD.モーガンさんが、自分の勤務可能な時間帯を申請したとしましょう。

D.モーガンさんは、1週間のすべての曜日に基本的にお昼の時間帯をメインとする「パターンB 昼番」を希望しました。

これは、シフトに入ることのできる「出勤可能日時」という意味であって、休日無しに働くと言うことではありません。あらかじめ店長から、「シフトに入れる日はすべて希望で入れておいてほしい」との依頼を受けているとします。

このように、あくまでも希望に過ぎませんので、社内で入力ルールを作っていただいて自由に登録することができるでしょう。

また、希望シフトはスマホからだけでなく、もちろんiPadやPCなどのブラウザから入力することが可能です。

(3)予定シフトの作成(PC)

次に、店長などのシフト管理担当者が、予定シフトを作成して確定させていきます。ここでは12月16日からの1週間の予定を考えていますが、予定シフトは1日ごとのシフトを作成していきます。

例えば、この12月16日はお客さんの予約が多く、この店舗に所属している全員でシフトを作成した例です。

シフトはPC画面を使った場合のみ、グラフでの入力が可能です。
(iPadでの入力は勤務パターンを選択する方法のみ対応しています)

このように、店舗ごとにシフトを作成していく画面では、希望シフトをコピーして予定を作成することができます。上の例では、希望された勤務可能時間帯をすべてそのまま予定シフトとして決定した、という例です。

あとから追加した社員3名(店長含む)は、希望シフトがありませんので、予定から作成しても構いません。

これで予定シフトは完成です。

(PCから見たガントチャート)

予定シフト表を印刷して貼り出したり、スクショを共有しても良いでしょう。

また、希望シフトはあくまでも「勤務可能」を入力してもらっているので、シフト管理担当者が、週の労働時間を確認しながらシフトに入らない日を調整して、予定を組むことになります。

ここでは、D.モーガンさんの希望をコピーして予定シフトにしましたが、予定だけ削除しています。

同様に、希望シフトは勤務パターンBの昼番だけでしたが、日曜日のシフトだけどうしても夜に人が足りないので勤務パターンCの夜番に変更できないか相談のうえ、予定シフトを変更したとしましょう。

グラフに表示されている時間帯は、マウスのドラッグで左右にずらして、勤務時間を変更することができます。(PCのみの機能です)

(4)予定シフトの共有

確定したシフトはすぐに全員と情報共有できます。

スマホで入力した希望に対して、予定がどのように変更されたかも画面上で確認できます。

上の例では、18日は休日になっていますね。

(5)iPadでのシフト作成

PCを使用するとグラフ入力によるシフト作成が可能ですが、iPadではタッチパネルだとかえって使いにくいため、iPadの場合には「タブレットモード」を選択し、勤務パターンを選択する画面で入力することができます。

勤務パターンによる時間帯が習慣化され、頭の中に入っている場合には、こちらの方がタッチパネルの特性を活かして、入力が早いというメリットがあります。

また、iPadからでも画面表示するだけならグラフ表示で目視確認することも可能です。

(iPadからみたガントチャート)

ここまで、希望シフトと予定シフトの管理機能を説明しました。

予定シフトと比較される「実績シフト」については、勤怠打刻(タイムレコーダー)を使用することで、自動的に入力されます。

勤怠打刻の機能についてはこちらをご覧ください。