POSの商品登録の途中で保留して次のお客様の商品登録をできますか?

はい、可能です。

お会計で商品登録をしている途中に「ちょっと待って」とおっしゃって買い忘れた商品を取りに行かれる方がおられたときに、登録した途中までの状態を保留して別保存しておき、次のお客様のお会計手続きに進むことができます。

NECモバイルPOSでは、商品登録の画面上に「保留」というボタンがありますので、それをタッチするとそこまで登録していた状態を別画面に一時保存することが可能です。

保存できるのは1件だけですので、そのお客様が戻ってこられたら、「保留あり」をタッチして画面に再表示してお会計まで済ませることが可能です。

棚卸を置き場ごとに分けて行うことができますか?

店頭や倉庫などの棚卸作業は、複数の担当者で行うことがほとんどです。できるだけ棚卸作業には時間をかけずに、店舗の営業時間を確保したいというのがどのお客様からもよくお聞きします。

dPackでは、棚卸作業を在庫区分あるいは置き場の登録によって分けられた棚卸原票を事前に準備して、複数担当者で並行して棚卸カウント作業を行うことができます。

(1)在庫区分の登録

POSに登録された部門が、そのまま在庫区分として使用される場合には、当社の環境設定にて自動的に在庫区分が登録されるように設定します。その使い方についてはこちらをご覧ください。

この方法を使用される場合は、本稼働前に営業担当にお伝えいただくか、本稼働後ではサポートにご連絡いただければ途中から変更することも可能です。

ここから以下は、置き場の登録を使用する場合の棚卸方法を説明します。

(2)置き場の登録

POS部門や在庫区分を使用しない場合には、置き場を使用することができます。置き場の特徴は同一商品(=材料)を複数の置き場に保管している場合に、それぞれの置き場ごとに棚卸するために使用します。

まず初めに、置き場の登録です。置き場は店舗ごとに異なるため、店舗マスタのロケーションから登録します。この画面上ではすでに3つの置き場が登録されている状態です。

この「3件」をクリックすると、すでに登録されている置き場が照会できます。(将来的な機能追加でロケーション管理を想定しているため、項目名称を「ロケーション」としています)

この置き場の「薬品棚」に置かれている商品(=材料)を登録することができます。この例では12件の商品が事前に登録されています。

(3)棚卸のカウント作業

棚卸作業は、すべての商品(=材料)を行う必要はありません。置き場ごとに分けて循環棚卸することも可能です。(棚卸入力がされた品目だけが実地棚卸数として置き換えられます)

ですので、棚卸をする日は毎日でも週ごとでも、任意の日付で行うことができます。

ここでは、3月31日を指定して棚卸作業を開始します。

棚卸の計画を追加することで、棚卸作業一覧の最上段に、3月31日付け棚卸計画が登録されます。作成数の欄に4と表示されているのは、この店舗の取り扱い品目を自動的に棚卸原票として一覧表にして発行したことを表しています。

ここで、棚卸日をクリックすると、まず置き場別になっている状態が表示されます。

ここで、薬品棚の棚卸入力画面を開いて入力します。

この画面の右端にある「済」となっている品目だけが棚卸数量として反映されるので、このまま棚卸確定をしても、棚卸をしていない「未」とされている品目の帳簿在庫が置き換わることはありません。

また、この画面でダウンロードをすることで棚卸原票のEXCELかPDFのどちらかをダウンロードすることが可能です。

また、EXCELダウンロードしたときには、EXCELファイルに棚卸数量を入力してアップロードで入力に替えることもできます。(下記の例は、ひとつ前の画面ですべての置き場の品目をダウンロードした例です。)

このように、dPackでは棚卸作業を徹底的に効率化するよう機能追加することを常に目指していますので、これからも進化させてまいります。

在庫金額だけの入出庫一覧は作成できますか?

dPackの在庫照会は、前月残数に当月の仕入と売上を加算減算して、現在の在庫数を表示することができます。

さらに、在庫の評価金額を指定することで、月次総平均法、最終仕入原価法、標準原価による評価の3種類が選択できます。(使用する単価は1事業所に1種類です。在庫種類ごと店舗拠点ごとに異なる方法は使用できません)

在庫数量までは必要なく、金額ベースだけで在庫の入出庫を管理して、在庫金額を把握できれば良いという場合には、在庫照会の画面の項目編集を選択して、数量に関する項目を非表示にすることで、金額だけ表示した在庫一覧表を照会することができます。

一方、売価還元法のように、金額のみで在庫の評価を行う場合があります。

dPackでは金額(それが売価なのか原価なのかにかかわらず)だけで、表示したい場合には、上記の表示項目を切り替えて数量欄を非表示にするだけでは十分ではありません。

dPackの在庫管理はSKU(Stock Keeping Unit=在庫管理単位)でもって、継続記録法によって管理する方法が原則なので、ある商品の入庫と出庫を登録しなければ在庫数量は算出できませんし、その評価金額も計算できません。

売価還元法のような金額だけで評価するという場合には、SKUでの入出庫を記録する必要はないので、品目ごとの仕入高を把握する必要もありません。いくつかの品目を分類した部門など同質性のある品目のグルーピング(売価還元法であれば利益率群で分けるなど)でもって集計することがほとんどです。

これに対応するために、dPackでは少し変則的な運用ルールが必要になります。

(1)マスタ設定

まず、同質性のある品目のグルーピングを「部門」として登録して、POS商品を登録します。

以下の例では、部門に「原価で在庫管理」という部門名を設定し、その中に4つの商品を登録しました。

1行目の「仕入金額入力用の品目」というPOS商品を登録しました。この商品はPOSでは販売しませんが、dPackに自動連携したいのでここで入力しています。この商品の原価を1円で設定し、売価は0円にしました。

2〜4行目には「POS販売の商品A~C」の3品目を登録しました。この3品目は実際に店頭でPOSから売上計上うする商品です。

これらの設定がdPackに自動連携されたのが次の画面です。

1行目が原価1円になっています。商品A~Cは正しい原価を入力しました。この原価は標準原価として材料マスタに自動的にデータ連携されています。

(2)仕入高の入力

次に、実際の仕入高を入力してみましょう。

もし納品伝票が複数の仕入商品で何行にもわたって並んでいたとしても、その仕入商品が同じ部門であり、部門「原価で在庫管理」にグルーピングされたものなら、伝票の合計金額を入力するだけです。

ただし、ここで注意点は、イレギュラーな使い方であるので、単価1円の商品を金額に相当する数量分を仕入れたという入力をする必要があります。

ここで、商品名「仕入金額入力用の品目」は、原単価を1円にすることで、入庫させることになります。金額はあくまでも数量×単価なので、結果は同じ123,456円の仕入高になります。

(3)売上高の入力

売上はPOSを使って入力しますから、商品のJANを読み込んで商品を選択したり、売上分析にも使用しますので、どうしてもSKU単位で処理することになります。

ですので、処理方法は他の商品とまったく同じです。

ここでは、それぞれの商品A~Cを上記のように売り上げたとしましょう。

(4)部門金額合計の在庫照会

ここまで来るともうおわかりかと思いますが、それぞれの商品ごとの在庫数量や在庫金額はこの状態では計算することができません。入庫した商品(=材料)と出庫した商品が異なるわけですから、差し引きが合うわけがありません。実際に在庫照会を見てみましょう。

商品A~Cは在庫数量を見るとマイナスになっています。その商品が入庫した履歴がないからです。

一方で、この部門を代表する品目として、123,456円の仕入れが計上されています。しかし、その品目が出庫された形跡はありません。

この状態では数量欄にはまったく意味がないので、項目編集で非表示にします。

すると、このように金額だけで入出庫が表示されます。

あくまでも金額ベースでの在庫管理なので、個々のSKUの金額には意味はありません。その合計である金額だけが参照対象になる部分です。

この部門の在庫金額は119,906円であることがわかります。

このように、dPackでは少し変則的な使用方法にはなりますが、金額ベースでの在庫照会が可能です。

単品販売商品を複数買うと自動で値引販売できますか?

バンドル販売という販売価格の設定方法があります。単品で販売している商品が複数まとめて買ったら販売価格がバンドル価格に値引きされるという販売方法です。(例えば1足390円の靴下を3足まとめて買うと販売価格が1,000円に値引きされるケース)

NECモバイルPOSでは、このような販売方法を「企画商品」として設定することができます。

まず、NECモバイルPOSのポータルサイトから、単品販売する商品を登録します。

この商品が3個販売されたときに、まとめ買い1,000円で販売するために、合計で1,170円になるところを、値引き170円を自動的に追加することで、販売価格を調整したいケースを設定してみましょう。

(参考)
NECモバイルPOSではこの設定を「セットマッチ」といいます。

まず、企画マスタを開いて「企画追加」ボタンを押します。

「企画追加」ボタンを押すと、企画名称と企画期間の登録画面になります。

企画マスタは、季節限定での値引調整などに対応する機能ですので、ひとつの商品の特売だけでなく、その期間中にいろいろな特売企画が複数設定されることを想定しているので、まず企画名称でそれらをグループ化できるようになっています。

ここでは、特売セールという企画名称で4月18日から1ヶ月だけ特売期間を設定して、このグループ化する企画名称を保存をしました。

次に、「セットマッチ追加」ボタンを押します。

単品指定の「商品追加」ボタンを押して、さきほどの「靴下単品」を選択します。

売価変更区分から「セットで合計からNN円引き」を選択し、成立時合計値引き額に170円を入力します。

この値引きは靴下単品を3つ買うと成立する値引き条件ですから、成立数に3と入力しました。

この状態で保存します。

それでは、POSの画面をみて動作確認してみましょう。

まだ企画期間に入っていないので、靴下を3つPOSで追加しても値引きはされていません。

日付が変わって、企画期間に入ると、企画商品名称の左上にSのマークが表示され、それを3つ選択すると、自動的に値引き行が追加されています。

dPackでも次のように値引きを追加した状態でデータ連携しています。dPackでは売上を税抜で集計するので、内税部分も別行にしてデータ連携しています。