2.分析

dPackの分析機能は、店舗や店舗グループ、地域、日付、任意の期間、時間帯、前年対比、イベント期間、商品別や種類などの設定を、利用者が自由に設定することで、POSから受け取ったデータを集計して表示、グラフ化、EXCELまたはPDFダウンロードすることができます。

(帳票サンプルについてはこちらをご覧ください。)

分析の種類については、大きく分けて

  • 業績照会
  • 売上分析
  • 在庫分析
  • 仕入分析

の4種類があります。以下、その概要を説明します。

業績照会は、各店舗の売上高や客数や客層、客単価や人時売上高、仕入高、標準原価、原価率など、店舗の業績を全店舗の一覧で照会したい場合に使用する分析機能で最も使用される照会画面です。ログインしたときに最初に表示されます。店舗別だけでなく、日別、週別、曜日別、月別の集計ができ、全体を把握したいときに活躍します。その分析データをカレンダー形式でイベント期間や曜日祝日などの情報と比較しながら総覧することができます。

売上分析は、商品売上の情報を時間帯や担当者、客層などの別に細かく照会したい場合に使用します。日別、週別、曜日別、月別といった時間属性での集計はもちろん、店舗別、担当者別といった組織属性、部門、商品、商品分析(※1)といった品目属性、客層といった顧客属性の別に細かく分析していくことができます。それらの複数の属性を組み合わせて集計し、集計金額をクリックすることでその内訳をABC分析することができます。

在庫分析は、商品やその加工に必要な材料の在庫の増減について照会できます。POSからデータを取得する売上による出庫と、仕入や社内移動による入庫の入力を行うことによって、リアルタイムに在庫数を照会することができます。また、日、週、月ごとの在庫の入出庫の動きを推移で見ることができる照会画面も用意されています。

仕入分析は、発注仕入機能をご契約いただくと利用できます。詳細は発注仕入Q&Aをご覧ください。

 

※1
商品分析とは、複数の任意の商品を選択してグループを作っておいて分析集計を行う機能です。売上分析では、画面上で商品を検索条件にする機能がすでにありますが、その指定したい種類やグループがいくつもある場合にこの機能を使用します。例えば、各メーカーのアルコール飲料を日本酒グループ、ワイングループなどの任意のグループで集計して、時間属性や顧客属性などの他の属性でさらに細かく分類して照会したい場合などに使用します。

はい、できます。

分析パターンマスタを使ってどの店舗を集計するのかを設定し、その分析パターンをどの従業員が見ることができるか細かく登録することができます。

また、特殊機能設定マスタを使用して、その従業員が分析機能の各種画面で、原価を表示するかどうかの設定もできます。

それ以外にも、メニュー設定マスタでユーザー設定メニュー(※1)を作成することで、画面左側に表示されるメニューも従業員ごとに設定することができますので、分析だけでなくdPackの機能についても制御することができます。

 

※1
メニュー設定マスタには、「共通メニュー」と「ユーザー設定メニュー」の2種類があります。「共通メニュー」はdPackサービス全体に共通するメニューですので、ご利用者様で変更することはできません。

業績照会の最も代表的な「店舗別業績照会」は、店舗別に売上や客数などを一覧し、全社業績の全体像を俯瞰することが目的で、ログインしたときに一番初めに表示される画面にしています。

各店舗の業績を表すデータを項目として表の横軸に並べ、縦軸で店舗別に集計しています。

分析パターンを切り替えて集計範囲を変更して店舗を選択したり並べ替えたり、さらに、集計期間を自由に変更しながら各店舗の業績を比較することができます。

それ以外にも、縦軸が日別、週別、曜日別、月別に集計される画面を用意しており、時系列でもってさらに細かく分析していくことができます。(例:A店の当月1日から本日までの業績を縦軸に並べる日別業績照会で毎日の客数の推移を確認する等)

業績照会で表示される画面は、グラフに変換して視覚的に表現したり、EXCELにダウンロードして報告資料を作成するなど、他の用途にも活用しやすくなっています。

 

・縦軸と横軸の説明

横軸の業績を表すデータ(下図の黄色い部分)は、項目として表示するかどうかを画面上で制御でき、その情報はログインした利用者別に保存して自分の見たい情報だけに絞り込んだり、項目を増やしたりできます。

縦軸の集計の単位(下図の赤い部分)については、メニューから選択することでその集計画面を参照することができます。

 

【例:店舗別業績照会の画面】

業績照会の横軸に表示することができる項目は、以下のとおりです。(2023年1月1日現在)

(分析帳票の種類によって集計の性質上、使用できるものとできないものがあります。)

(1)本日売上と累計売上
指定された日付(本日)の1日分の売上と本日までの当月累計の情報です。さらにその下に次の項目が表示されます。

予算 予算管理画面で本日に設定された売上予算を本日分または本日までの当月累計で表示します。
実績 本日の売上実績または本日までの当月累計を表示します。
予実比 実績÷予算×100で計算して予算達成度を%表示します。
記号(予実比) 予実比の達成度に応じた記号(◎や↑やOKなど)で表現します。(※1)
前年 前年同日の実績を表示します。(※2)
前年比 前年÷実績×100で計算して前年達成度を%表示します。
記号(前年比) 前年比の達成度に応じた記号(◎や↑やOKなど)で表現します。(※1)

(2)本日客数と累計客数
指定された日付(本日)の1日分の客数と本日までの当月累計の情報です。さらにその下に次の項目が表示されます。

予算 予算管理画面で本日に設定された客数予算を本日分または本日までの当月累計で表示します。
実績 本日の客数実績または本日までの当月累計を表示します。
 実績男性 実績のうち男性とPOSで登録された客数です。
 実績女性 実績のうち女性とPOSで登録された客数です。
予実比 実績÷予算×100で計算して予算達成度を%表示します。
記号(予実比) 予実比の達成度に応じた記号(◎や↑やOKなど)で表現します。(※1)
前年 前年同日の実績を表示します。(※2)
 前年男性 前年同日の客数実績から男性の客数です。(※2)
 前年女性 前年同日の客数実績から女性の客数です。(※2)
前年比 前年÷実績×100で計算して前年達成度を%表示します。
記号(前年比) 前年比の達成度に応じた記号(◎や↑やOKなど)で表現します。(※1)

(3)本日客単価と累計客単価
指定された日付(本日)の、本日売上の実績÷本日客数の実績で計算した客単価です。累計客単価は、累計売上の実績÷累計客数の実績で計算した客単価です。それぞれ、前年同日または同日累計の客単価とその前年比を表示することができます。

(4)本日標準原価と累計標準原価
指定された日付(本日)の、売上商品の個数に標準原価を乗じて原価計算した売上原価です。累計標準原価はその当月累計です。それぞれ、前年同日または同日累計の標準原価とその前年比を表示することができます。(※3)

(5)本日原価率と累計原価率
指定された日付(本日)の、本日標準原価÷本日売上の実績×100で%表示しています。1-原価率は売上総利益率(粗利率)です。累計原価率は、累計標準原価÷累計売上の実績×100で%表示しています。それぞれ、前年同日または同日累計の原価率とその前年比を表示することができます。(※4)

(6)本日労働時間と累計労働時間
指定された日付(本日)の、本日労働時間を時分で表示しています。累計労働時間はその当月累計です。それぞれ、前年同日または同日累計の原価率とその前年比を表示することができます。(※5)

(7)本日人時売上と累計人時売上
指定された日付(本日)の、本日売上の実績÷本日労働時間で計算しています。累計人時売上は、累計売上の実績÷累計労働時間で計算しています。それぞれ、前年同日または同日累計の原価率とその前年比を表示することができます。(※5)

(8)本日仕入と累計仕入(※6)
指定された日付(本日)の1日分の仕入と本日までの当月累計の情報です。さらにその下に次の項目が表示されます。

予算 予算管理画面で本日に設定された仕入予算を本日分または本日までの当月累計で表示します。
実績 本日の仕入実績または本日までの当月累計を表示します。
予実比 実績÷予算×100で計算して予算達成度を%表示します。
前年 前年同日の実績を表示します。(※2)
前年比 前年÷実績×100で計算して前年達成度を%表示します。

(9)本日仕入率と累計仕入率
指定された日付(本日)の、本日仕入の実績÷本日売上の実績×100で%表示しています。累計仕入率は、累計仕入÷累計売上の実績×100で%表示しています。それぞれ、前年同日または同日累計の仕入率とその前年比を表示することができます。

(10)本日経費と累計経費(※7)
指定された日付(本日)の1日分の経費と本日までの当月累計の情報です。さらにその下に次の項目が表示されます。

予算 予算管理画面で本日に設定された経費予算を本日分または本日までの当月累計で表示します。
実績 本日の経費実績または本日までの当月累計を表示します。
予実比 実績÷予算×100で計算して予算達成度を%表示します。
前年 前年同日の実績を表示します。(※2)
前年比 前年÷実績×100で計算して前年達成度を%表示します。

(11)本日人件費と累計人件費(※5)
指定された日付(本日)の1日分の人件費と本日までの当月累計の情報です。さらにその下に次の項目が表示されます。

予算 予算管理画面で本日に設定された人件費予算を本日分または本日までの当月累計で表示します。
実績 本日の人件費実績または本日までの当月累計を表示します。
予実比 実績÷予算×100で計算して予算達成度を%表示します。
前年 前年同日の実績を表示します。(※2)
前年比 前年÷実績×100で計算して前年達成度を%表示します。

 

※1
比率種類マスタで任意の値を設定して、記号の種類や文字色を設定することができます。
※2
前年同日の設定は前年対比カレンダーマスタで曜日をずらして当年と同じ曜日にできます。前年祝日についても当年の祝日と同じ日に入れ替えることができます。うるう年の時だは前年日数を1日重複させて追加するので、前年同月合計がそれだけ増加することに注意が必要です。
※3
標準原価は、商品ごとに設定することができます。セット商品やレシピ登録を通じて標準原価を積算し原価計算することもできます。
※4
売上総利益率または粗利率ではなく原価率として表示しているのは、飲食業ではFL比率のFood(食材費)を重要な業績指標としているためです。
※5
シフト管理機能をご契約いただいた場合に表示することができます。
※6
発注仕入管理機能をご契約いただいた場合に表示することができます。
※7
経費管理機能をご契約いただいた場合に表示することができます。

はい、できます。

分析機能では、すべての画面で集計期間の指定を、日付で指定することができます。集計開始日と集計終了日をカレンダーから選択して指定します。

日付選択欄の右側にあるリストから選択した期間指定は、次回ログイン時にも保存されます。

はい、できます。

本日売上実績までは実績数値を使用して、当月の残りの期間については予算金額か前年実績を選択して集計することができます。

POSから受け取った売上実績について、いろんな切り口で集計したり区分して、売上の内容を分析することができます。

それぞれの切り口で集計した売上金額は、その数字をクリックすることで、その金額に含まれる商品別の内訳をABC分析として照会することができます。

集計には、次のような種類を組み合わせて行うことができます。

時間属性
日別、週別、月別、曜日別、時間帯別といった日時を条件に集計できます。時間帯についてはPOSから受け取った情報にオーダー時と会計時の2種類のどちらでも集計することができます。(※1)

組織属性
店舗別、担当者別といった組織を条件に集計できます。この属性の集計は、他の属性と一緒に縦軸にディメンションを展開することができます。

品目属性
商品別、部門別、商品分析別といった商品にまつわる情報を条件に集計できます。1つの商品だけでなく複数の商品を選択して集計することもできますし、商品に登録された部門を使用して集計することもできます。キャンペーンの種類など任意の商品をグループ化して商品分析別という集計も可能です。

顧客属性
客層で集計できます。客層については男性か女性で集計できます。POSから受け取った情報に含まれる顧客属性があれば、その集計を増やすことができます。

※1
時間帯については、12時などの時間単位だけではなく、例えば、昼間時間帯などの名称で11時〜14時と登録することで任意の時間帯でもって集計できます。

はい、できます。

販売管理機能の過去データの取り込みを使って、EXCELデータを取り込むことができます。

データ量が多い場合には、サーバーへの負荷低減とエラー回避のため、当社で対応することもできます。

例えば、売上分析画面は、集計するデータが有している属性の値でもって利用者が自由に設定できますので、その組み合わせは数百種類に及びます。(属性については「Q&A売上分析ではどんな集計ができますか」を参照してください)

例えば、日付を縦軸に、横軸に時間帯を並べて、売上高を集計したいという場合には、売上分析メニューで「日次」を選んで、その中からさらに「時間帯」をクリックします。

すると「日別売上(時間帯別)」の画面が表示されます。

次に、集計したい期間を指定し、どの店舗の情報を見たいかも指定します。分析パターン(※1)を使って複数の店舗を集計することも指定できます。(下図の「分析集計」欄で選択)

それだけで、自分が見たい情報だけに絞り込んだ集計表ができあがり、さらにEXCELファイルでダウンロードもできます。

表示された数字で青い文字で表されているものは、その数字をクリックするとその内訳が表示され、各商品をABC分析で並べ替えて一覧表示することができます。

横軸に表示する見出し項目は、表示非表示を切り替えることができますので、欲しい情報だけを切り取ることができます。

※1
分析パターンとは、集計したい複数の店舗をグループ化してあらかじめ登録する機能です。地域別や店舗ブランド別で集計したり、スーパーバイザーの管轄範囲でグループ化して集計したりする時に使用します。分析パターンとしても複数設定できるので、集計グループが地域と店舗ブランドで交錯している場合には、それぞれの集計パターンを登録しておくことができます。

3.在庫

はい、できます。

dPackは小売店での在庫管理にも対応しています。

JANコードを使用した在庫管理はもちろん、コードの無い商品でも入出庫を入力することで在庫管理が可能です。

dPack Basicでも在庫管理の入力時に仕入や廃棄などの区分を分けながら入出庫の入力ができるので、入出庫一覧表での全商品の動きが見やすくなります。

在庫管理の移動区分は、入庫、出庫、廃棄、調整の4種類にそれぞれに10個の区分を任意に設定できます。(合計最大40区分になります)

 

例えば、仕入については入庫グループに、他社仕入と本部仕入を分けて入力したり、出庫についても売上だけでなく社内消費も区別して入力することができ、それらが在庫一覧表の横軸の区分として集計され表示することができます。

はい、もちろんPOSの売上出庫は自動的に集計されます。

 

POSメーカーの仕様にもよりますが、例えばNECモバイルPOSであれば数分ごとにデータ連携しているので、ほぼリアルタイムの在庫数がdPackで照会できます。

 

POSでの売上返品処理による入庫にも対応しています。

はい、できます。

 

棚卸の方法はバーコードリーダーによる読み取り、棚卸数を入力する方法や、帳簿在庫一覧を見ながら実地棚卸数量を入力していく方法など、いくつかの方法が用意されています。

 

また、棚卸する商品の範囲や時期を自由に設定できるので、店舗毎や棚毎の循環棚卸や月に数回の棚卸など、在庫数量の精度を高める工夫ができます。

 

また、棚卸作業が終われば、帳簿数量との差異を計算し、一括調整(差異数を在庫調整伝票として一括起票)して正しい帳簿数量に置き換えることが可能です。

はい、可能です。

 

dPack Basicでは社内の物流センターやセントラルキッチンなどへの発注を行うことができ、その情報をもとに倉庫から店舗へ出庫(社内移動)を行うことができます。その社内移動データはそのまま店舗の入庫予定として表示されるので、店舗はそれをチェックするだけで店舗在庫への入庫処理になります。(入庫数量の入力は不要になります)

店舗の入庫時に、物流センターから同梱された出荷票のバーコードを読み取るだけで、入庫予定を照会でき、ボタンひとつでそのまま入庫処理が完了します。

 

はい、計算できます。 在庫の評価方法は月次総平均法または最終仕入原価法が選択できます。発注単価をもとに入庫時の仕入単価の入力をしていただくことで、その品目の評価単価を計算して、在庫数量に乗じて在庫金額を計算表示することができます。 在庫評価金額の表示された在庫一覧表をEXCELダウンロードすることができ、会計上の棚卸計上の仕訳にも活用することができます。

はい、POSで登録された商品マスターはそのオプションにいたるまですべてデータ連携しています。

例えば、NECモバイルPOSで商品のサイズや色違いなどのオプションを、商品Aに商品オプションでSMLの3つの種類分けをしていたとします。この場合、POSでは商品はAを登録して、そのオプションとしてSMLを登録しますが、在庫管理上はSKUであるSMLのそれぞれに在庫管理をすることになります。

 

この時、dPackの商品マスタには初めからAとSMLの4つの商品マスタが自動的にデータ連携され、在庫管理はSMLの商品でもって行います。例えば、商品AのMサイズを販売した時、Mの在庫が引き落としされます。

 

はい、可能です。

dPack Basicでも標準機能としてレシピ機能(部品構成:BOM)をお使いいただけます。

例えば、XYZの3つの商品をセットにしてAセットとして商品マスタ登録し、材料マスタで登録されているXYZの品目を、Aセットと1対3の部品構成で関連づけることができます。これにより、POSでAセット(POSでは商品マスタにAとして登録されている)を販売した場合、自動的にXYZの材料を引き落とします。

店頭や物流倉庫で、XYZをあらかじめセット商品として梱包するなど、荷姿が変わっており、セットの在庫数を管理したい場合には、この部品構成登録を使わずに、商品の移動伝票でXYZを減らしてAに置き換える移動を行うことで管理できます。

飲食店でレシピとして登録する場合は、お客様に販売するメニューを商品マスタに登録し、食材を材料マスタに登録して、その商品1単位に使用する材料の員数(消費量)を登録することで、食材の在庫管理が可能です。ただし、調味料に至るまで完全なレシピを登録する必要はなく、食材の在庫管理を行いたいものだけレシピ登録しておくことで、発注点のお知らせアラームなどの欠品防止に役立ちます。

 

はい、補充依頼アラーム機能があります。

店舗毎に商品(材料)の安全在庫数を登録しておけば、その在庫数を下回ったときに画面上にアラームでお知らせされます。

同時に、あらかじめ登録したメールアドレスにもメールでお知らせしますので、本部でも情報を知ることができます。

 

はい、可能です。

食材などの賞味期限管理をしなければならない場合には、その食材を材料マスタに登録するときに「賞味期限管理=あり」の設定をしておくことで、仕入れなどの入庫時に賞味期限を必須入力する設定になるため、入力忘れを防止できます。

そのあと、運用ルールとして古い食材から順番に消費していることを前提として、いま残っている在庫を、最終の入庫履歴の入庫数と賞味期限の情報から当てはめていって、在庫数を賞味期限別に表示することができます。

さらに、賞味期限を過ぎたものを選択して在庫照会したり、一括で廃棄入力することができます。

はい、もちろん可能です。

dPackにはレシピ機能(部品構成:BOM)がありますので、POSに登録された商品はdPackの商品マスタとしてデータ連携して、それとは別に材料マスタには在庫管理したい品目を別登録できます。

例えば、POS商品マスタに商品Aを¥1,100、商品Bを¥900と登録したときに、どちらも材料Bとして在庫管理したいときは、商品AおよびBの両者の部品構成をどちらも材料Bと部品構成を登録しておくことで、どちらも材料Bとして出庫することができます。

(例)商品名JB-1100とJB-900を別々に売上計上して、どちらが売れてもJB-900の在庫を引き落としたい場合
こちらで動画による画面の動きを説明しています(外部サイトに移動します)

dPackでは、店頭の商品と在庫管理している商品に管理している単位が異なることを前提に設計しています。

販売する単位を「商品」在庫管理する単位を「材料」として別々に登録できるようになっています。

例えば、セット商品のようにいくつかの商品を詰め合わせてセット商品ができるケースでは、POSにはセット商品でマスタ登録されることが多いので、それをdPackの商品マスタに自動連携し、材料マスタにバラ商品を複数登録することで、在庫管理をバラ単位で管理できるようにするためです。

なお、セット商品などが少なく、店頭の商品のJANコードなどでそのまま在庫管理をするケースの場合には、商品と材料は1対1の関係になるためレシピ機能を使うことは少ないので、当社が行う初期設定をすることで、POSから商品マスタのデータを連携したときに、自動的に材料マスタまでデータを自動生成するので、2重入力する必要はありませんのでご安心ください。

 

dPackには商品マスタと材料マスタがありますが、どのように使い分けますか?

dPackでは、経理処理で売上と仕入を区別して処理できるように、

売上で使用する品目を「商品」

仕入で使用する品目を「材料」

という名称で、区別して管理することができるようにしています。これは日本のほとんどの企業が、経理処理において三分法で処理しているため、その商習慣に沿って設計しています。

この設計によって、セット商品などの組み合わせ商品とバラ商品の在庫管理が実現できています。(セット商品の登録と在庫管理についてはこちらをご覧ください)

それでは、まず売上で使用する「商品」について説明します。

(1)商品マスタ 〜売上のために使う

メニューから「マスタ管理」>「商品関係」を選択すると、商品マスタに関係するメニューが表示されます。この画面にある「商品一覧」メニューが商品マスタの入り口で、その主な機能は次のとおりです。

  • 売上数や金額を集計することができる
  • POSと自動連携することができる
  • 販売単価(売価)を持たせることができる
  • 部門などで集計することができる

このように、POSとの連動や売上分析に使用するのが「商品」です。

商品一覧メニューを押し、次の画面で検索ボタンを押すと、次のように「商品マスタ一覧」が表示されます。

この画面では、POSから自動連携された商品が一覧表示されています。

例えば、この画面の「PLUコード」は、POSで登録されたJANコード(POSでは「商品コード」と呼んでいます)が自動連携されて表示されています。

ここでPOSの画面を見てみましょう。

POSで登録された情報とまったく同じ内容が、dPackの商品マスタに自動連携されています。

つまり、dPackの商品マスタは、

売上に関する集計をしたり分析するのに使用する=商品マスタ

と、覚えてください。

POSと自動連携している場合には、dPackの商品マスタは、ほとんど変更することがありません。POSでしっかりと正しいデータが登録されていれば、dPackではそのまま流用することができます。

(2)材料マスタ 〜仕入のために使う

メニューから「マスタ管理」>「材料関係」を選択すると、材料マスタに関係するメニューが表示されます。この画面にある「材料一覧」メニューが材料マスタの入り口で、その主な機能は次のとおりです。

  • 在庫を管理することができる
  • 仕入先に発注することができる(dPack Businessの機能になります)
  • 仕入単価を持たせることができる
  • 最終仕入原価法または月次総平均法で棚卸資産評価額を計算することができる

このように、仕入先との取引や在庫の管理に使用するのが「材料マスタ」になります。

材料一覧メニューを押し、次の画面で検索ボタンを押すと、次のように「材料マスタ一覧」が表示されます。

この画面では、発注にも使用する仕入単価や在庫数量を数えたときの計測単位(個やグラムなど)が表示されています。

つまり、dPackの材料マスタは、

発注仕入や在庫に関する集計や資産評価に使用する=材料マスタ

と、覚えてください。

(3)自動連携 〜面倒なマスタメンテから解放されるために

ところで、この画面例では、ほとんど商品と同じ品目が、表示されていますよね?これは、売上で使用する「商品」と、仕入で使用する「材料」がほとんど同じだからです。

その状態を、「商品と材料が1対1の関係にある」と呼んでいます。

これは小売店でよく見られるケースですが、それでも、仕入先への発注品名と売上でレシートに表示される品名を異なったものにしたいという場合もあるでしょう。そういう使い方に対応するために、商品マスタと材料マスタに区別しています。

ところが、その状態だと「商品マスタはPOSと自動連携だけれど、材料マスタは手入力で登録」することになり、とても手間がかかりますよね。ですので、

自動連携は商品マスタだけでなく、材料マスタにも自動連携できる

この機能は、dPackの初期設定で、お客様の希望により当社がシステム設定します。

小売店では、ほとんどの商品が材料と1対1の関係にあるので、この設定をあらかじめ行うことで材料マスタの登録メンテナンスからも解放されることになります。

商品と材料の関係が1対2以上の関係になる場合を「セット品」や「加工品」として管理したい場合は、こちらをご覧ください。

POSの分析機能とdPackの分析機能にはどんな違いがありますか?

dPackが最初に開発された時は、売上分析機能からスタートしました。POSで蓄積されたデータを有効活用しようというのがその最初の設計ポリシーだったからです。

ですが、POSにも集計機能や分析機能があります。ここではdPackの分析機能との役割分担についてご説明します。

(1)POSの売上分析

POSでは、クラウド上のサーバーに売上レシートデータを7年分保管するように設計されています。これは、税務上の証憑書類の保存期間に対応しているためです。このデータ保存があるので、レシート控えを紙で保存するという必要がなくなりました。

つまり、最も細かいレシートデータが取り出せるようになっているのです。

一方、大量のデータを蓄積しているということは、それを集計するのにとても時間がかかります。

ですから、すぐに取り出せるデータは直近の31日間に限定することで、集計スピードを上げています。

これは、POSの分析機能が、直近の売上データを検索して、修正したり入力間違いを探し当てたりすることを主たる目的にしていて、お客様からの問い合わせにすぐに対応できるようにしているからなのです。

(2)dPackの売上分析

それとは逆に、dPackの売上分析は、事業者の会計期間(12ヶ月)において経営成績を分析できるようにすることを目的に開発されました。

ほとんどの事業者は1年毎に決算を行い、前年度と比較しながら経営成績を評価しています。

ですので、dPackでは売上データは標準で過去24ヶ月をデータとして保存し、それよりも古いデータは自動的に削除して集計スピードを早めています。(別料金で25ヶ月以上の保管をすることも可能です)

dPackは集計スピードを早めるために、画面上に表示される集計データについては、集計テーブルを使って事前に集計して保持しています。売上データが5分毎にPOSから送信されてくるたびに、再計算して集計しています。

そのため、すでに集計したデータを表示するだけなので、分析帳票の画面表示が数秒で可能になるのです。

このように、POSとdPackは分析機能について役割分担をしています。

dPackの分析機能についてはこちらにサンプルをご用意しています。

POSの商品とdPackの商品マスタの自動連携について

dPackを導入すると、POSで登録した商品マスタはdPackにも2重で登録する必要はありません。それは、dPackの開発にいたった経緯から、必ずデータ連携することを実現してきたからです。

dPackにはPOSの機能がありません。これは、お店ですでに導入されているPOSレジがそのまま使えるよう、他社のPOSとデータ連携することを最初から目指したからです。

dPackの開発当時はまだ1台で100万円以上するPOSが主流でした。それを買い替えてもらうわけにはいきませんよね。

ですので、過去にたくさんの他社メーカーのPOSとのデータ連携を実現してきました。

そうしているうちに、POSについてもiPadで動作するクラウド型のサービスが始まりました。dPackは開発当時からブラウザで動くクラウドサービスでしたので、ようやくPOSが追いついてきたというわけです。

ここでは、最も導入実績の多いNECモバイルPOSとdPackのデータ連携を事例に、商品マスタの自動連携について説明します。

(1)自動データ連携の説明動画

まず、POSで登録された商品マスタからdPackにデータ連携するまでの説明動画をご覧ください。

(2)POSのポータルサイト(クラウド)

クラウド型サービスは、インターネットブラウザを通じてサーバーに接続して使用します。POSで使用する商品マスタの登録は、そのサーバーに登録することになります。

この画面は、NECモバイルPOSの「加盟店ポータル」サイトといって、POSの設定を行う画面です。SafariやEdgeなどインターネットブラウザを使ってアクセスします。

店舗と本部が離れている場合や、店舗が複数ある場合でも、店舗まで行かなくてもPOSの設定を変更できるように、クラウド上のサーバーでPOSの設定ができるようになっています。

ちなみに、この時点でdPackの商品マスタにもコピーされています。(後述)

(3)iPadで動作するPOS(アプリ)

店舗で使用するPOSは、iPad上で動作します。POSシステムはアプリで作られていて、Apple Storeなどからダウンロードしてインストールします。

POSシステムを起動すると、最初にサーバーからデータダウンロードするかどうかを確認されます。

これは、サーバー側にある商品マスタなどのデータが変更されているので、最新のデータに置き換えることをお知らせしてくれています。

ところで、POSシステムはどうしてアプリで作られているのでしょうか?

それは、インターネット接続が切れてしまっても、POS機能が使えるようにするためです。

インターネットが使えないからといって、お客様に注文やお会計ができませんなんて言えませんよね。

つまり、POSシステムは、アプリとしてiPadの中だけで動作するようにして、インターネット(主にWiFi)が再接続されたときに、サーバーに売上データを送信するように設計されているのです。

ですので、もし停電になってもお会計は可能というわけです。

(4)dPackとのデータ連携(クラウド)

dPackはPOSのサーバーと直接データ連携しています。POSで設定されている情報は、売上や商品だけでなく、部門や分類、消費税設定にいたるまで、すべてのデータをdPackサーバーにコピーしてきているのです。

ですので、POSのデータで集計したり分析したりする機能は、すべてdPackでも実現可能です。さらに、そのデータを使って在庫管理や売上分析に活用していくわけです。

完全なリアルタイムでサーバー接続するとサーバーに負荷がかかりますので、おおよそ5分毎にデータ連携しています。ですので、正確に言うと「ほぼリアルタイム」です。

例えば、POSで売上データが登録されると、POSサーバーに送信され、5分後にはdPackにコピーされて、ブラウザから売上分析ができるということです。

上記(2)でNECポータルで登録された商品は、それよりも前にdPackにデータ連携されています。