任意の時間帯を設定して売上分析を集計したい

dPackでは売上分析の機能のひとつに「時間帯別の集計」をする機能があります。時間帯というのは12時台、13時台などの1時間ごとの集計だけでなく、昼営業の営業時間帯や夕方だけの時間帯など任意の時間帯を設定して自由に集計することができます。

集計の対象となる時刻はレシートに含まれる時刻を基準にしており、会計時の時刻と初回オーダー時の時刻の2種類で集計することができます。会計時の時刻を基準に集計すると店内滞留後になってしまいますが、初回オーダー時での集計は、来店時刻に近い集計をしたいときに便利です。

ここでは、時間帯の登録方法と、その集計結果を部門別に照会する方法をご説明します。

(動画での操作方法は下記をご覧ください)

(1)時間帯の登録

dPackで任意の時間帯を登録するには、時間帯マスタを使用します。

時間帯マスタで登録された時間帯の定義(ルール)は、売上分析画面で指定することができます。つまり、時間帯マスタでは「任意の時間帯」をさらに数種類持たせることができるということです。昼営業と夜営業の担当者が異なる場合には、昼営業を1時間ごとに細分化して夜は合計で良いという集計が可能ですし、その逆も可能です。

時間帯の定義が複数設定できるので、分析画面で見たい定義を目的に応じて切り替えすることができます。

それでは、営業時間帯を設定してみます。
メインメニュー > マスタ管理 > 分析関係 > 時間帯一覧の順に画面を進めて、「新規登録」を押します。

次の画面「時間帯マスタ種類」で時間帯マスタの名前を登録します。売上分析画面で時間帯種類を選択指定するときにこの名称を一覧から選択するのに使用します。ここでは「営業時間帯」という名称で登録しました。

次に、任意の時間帯を登録します。

時間帯一覧の画面に戻ると、新しく「営業時間帯」という時間帯種類名が表示されていて、その「時間帯数」がゼロになっているのが見えるでしょう。

これは、まだ何も時間帯の定義が登録されていないことを示しています。

そこに、次のように時間帯の定義を登録したいと思います。お昼の時間帯だけ1時間ごとの売上数量と売上高を集計し、それ以外の時間帯はその営業時間帯の合計だけで良いという事例です。

   昼11時台 昼12時台 昼13時台 
部門売数売上高売数売上高売数売上高売数売上高売数売上高
料理99999999999999999999999999999999999
ドリンク99999999999999999999999999999999999

さきほど確認した「時間帯数」の「ゼロ」をクリックして、「新規登録」から「時間帯マスタ」の登録画面に進みます。

この入力例は、昼の11時台を登録している入力例です。上の画面の時間指定の入力例は11時00分から12時00分までという意味です。

これで11時台の集計が行えるようになります。

同じように、任意の時間帯を複数登録を繰り返します。このとき、時間帯が重複しないように気をつけてください。1日の合計金額と違算が出る可能性があります。

(2)売上分析画面での時間帯の指定

ここまでで時間帯の設定ができました。そこで、売上分析の時間帯別分析画面を確認してみましょう。

メインメニュー > 分析 > 売上分析メニュー > 部門別メニュー > 売上(時間帯別)と進みます。

画面上部の検索条件指定画面にて、「時間帯」という条件指定欄に「営業時間帯」が新しく登録されているのが確認できますので、これを指定します。

この状態で検索ボタンを押すと、指定された任意の時間帯で売上集計画面が表示されました。

時間帯を選択する欄の右側にあるマークを押すと、時間帯の基準になる時刻を変更することもできます。

POSで登録された異なる商品を売上分析では同じ商品として集計したい

店舗で使用するPOSでは部門ごとに商品を登録することで、商品を探し出すのを容易にしたり打ち間違いを防止するように設定されることが多いです。その「部門」を使って、例えば、売り場ごとのメニューを切り替えたり、ランチメニューとディナーメニューを分けたり、仕入先として部門を使用したりと、POSの「部門」はいろいろな用途に使用されることが多いです。

ところが、POSの商品マスタでは1つの商品に対して1つの部門という1対1の関係で登録する必要があるので、もし複数の部門で同じ商品を販売したい場合には、それぞれの部門に同じ商品を登録しなければなりません。

ところが、経営管理上は、そのような別々に登録された商品を、同じ商品として集計し、売上数量や売上高を管理したいということがよくあります。

具体的な例として次のようなケースを考えてみます。

部門商品名販売価格(税込)
ホールビール中(ホール)500円
テラスビール中(テラス)600円
カウンタビール中(カウンタ)450円

このように、同じ商品であっても時間帯や提供場所などで販売価格も異なるというケースに対応するために、販売価格が異なる複数の商品として登録されていることもあるでしょう。

NECモバイルPOSではこのように表示されます。

このままでは、次のように、dPackにマスタが自動連携された時に、3つの別々の商品としてマスタデータ連携されてしまいます。

また、売上分析で商品別売上の集計を照会すると次のように商品別に表示されます。

さて、売上分析の目的によっては「ビール」の合計を見たいという場合もあります。その場合には、dPack側で「商品分類」を追加して、売上分析を商品分類で集計された状態で表示することができます。その関係を先ほどの図で表すとこうなります。

部門商品名販売価格(税込)商品分類「集約商品」
ホールビール中(ホール)500円ビール
テラスビール中(テラス)600円ビール
カウンタビール中(カウンタ)450円ビール

(1)商品分類マスタを使用する準備をする

商品分類は、商品分類マスタでユーザーが任意の名称で登録できる分類です。例えば、ブランド、色、サイズなどの商品の規格について登録したり、異なる商品を集計したいときに使うよう設計されています。まずはこの「商品分類」を使用する準備をします。ユーザーが自由に設定できる分類は5種類までです。

次の例では、あらかじめ「予備」という名称で5つ目に初期設定されている商品分類を使用して、「集約商品」として使用できるように設定しています。

ここでは、商品分類名を「集約商品」という名称で登録しました。この画面で「使用区分」を「使用」に変更することで、商品マスタ詳細の画面上に、「集約商品」という入力欄が新しく追加されます。

ここに、集約したときの商品名を入力します。この例では「ビール」という名称を登録しました。同様に、他の2つの商品についても集約商品に「ビール」と登録しておきます。

これで、異なる複数の商品を同じ商品分類で集計する準備は完了です。

(2)商品別売上分析の表示項目を追加する

dPackの商品別売上分析は、上記(1)で設定した「商品分類」で集計表示することができます。しかし、商品マスタに「集約商品」を登録しただけではまだ集計されず、元の商品名で集計されたままです。

この画面では、表題部に「商品内訳」と表示され、その下に「部門」「商品コード」「商品名」の3項目が表示されています。このように、今はその3項目が集計単位になっているため、各商品ごとの数量合計と金額合計が表示されているのです。(上の例では複数の売上レシートの情報が集計されています)

そこで、この「商品内訳」の表示を、その3項目ではなく、「集約商品」に変更して集計すれば、「ビール」という集約商品名で合計することができます。まず確認のために「集約商品」を表示してみましょう。

売上分析画面では、ユーザーが表示したい項目を自由に制御することが可能です。検索条件の右端にある「+」を押して、検索条件設定の画面を開きます。

そこで、「表示する項目の設定」を開いて、「商品内訳」の「集約商品」を表示するチェックを入れて保存すると、「集約商品」が表示されます。

このように、「集約商品」の「ビール」が表示されました。

(注)メニューの短縮表示について

会社名の左側にあるメニュー表示ボタンを押すと、メニューを短縮表示できます。

そのとき、売上分析の表示が、右端が空白になるときは、再表示を押してください。

(3)商品分類「集約商品」で集計する

ここまでの作業では、集計したい集約商品名を正しく登録できているかを確認しただけでした。次に、その「集約商品」で集計するように変更します。

dPackの売上分析は、項目の集計ルールとして

  • 分析画面で表示されている項目で合計して表示する

という機能があります。これを使って「集約商品」で集計してみましょう。

さきほどと同じように、「表示する項目の設定」で、

  • 部門
  • 商品コード
  • 商品名

のチェックを外します。

合計の対象が「集約商品」だけになって、表示されることが確認できました。

この「表示する項目の設定」は、次にこの画面を開いた時にもその設定が保存されていますので、毎回設定を行う必要はありません。

(4)商品マスタのメンテナンスの便利な方法

このように、商品分類に設定した「集約商品」という分類で集計することができましたが、このように部門ごとにバラバラに登録された商品のひとつひとつに商品マスタの画面を開いて「集約商品」の名称を登録することは大変かもしれません。

dPackは基本的にPOSからマスタ情報を自動連携していますが、この商品分類の「集約商品」はdPack上にだけ存在するマスタ項目であるので、POSに商品を登録しただけでは追加されず、dPackの商品マスタにも入力しなければならないのです。もし、このような集約したい商品がたくさんある場合には、dPackの商品マスタを全商品の画面を開いて入力するのは大変です。

そこで、dPack商品マスタにはEXCELファイルでのダウンロードとアップロードでマスタメンテナンスできる機能があります。

その詳しい操作方法についてはこちらをご覧ください。

JANコードの無い商品を管理するにはどうしたらよいですか?

店舗で販売する商品に、ボトルに入った飲料を量り売りするケースや、元々の仕入先からJANコードが登録されていない商品などが存在することがあります。このような場合でも、POS上で売上計上する時に、JANコードを使って売上登録したい時の設定方法をここで説明します。

(1)インストアコードを自動的に採番する

日本国内の製品にはほとんど49や45から始まるバーコードが貼付されています。これをJANコードと呼んでいます。

そのJANコードの規格を使って、社内だけで通用するローカルなJANコードを使用することも認められています。それを「インストアコード」といい、20〜29で始まるバーコードを使うことが認められています。(インストアコードは社内だけの使用に限られますので、他社では使用できません)

NECモバイルPOSのポータルサイトで、商品マスタを登録する時に、商品コードを入力する欄がありますが、この入力欄を空白にして保存ボタンを押すと、自動的にインストアコードを採番してくれる便利な機能があります。

この機能を使用すると、POSに商品を登録したときに自動的にインストアコードが付され、自動連携している場合には、dPackにもその情報が自動的にコピーされます。

(2)インストアコードのメニュー表を印刷する

インストアコードを使用してバーコード管理するケースでは、商品そのものにバーコードのシールを貼り付けることができないことがほとんどです。

従って、バーコードを一覧で印刷した表をレジなどに用意しておき、商品のバーコードを読み取る代わりに、バーコード一覧表から読み取る手順がよく行われています。

dPackではこのようなバーコード一覧表を「メニュー表」としてEXCELファイルで印刷できるようにしています。

このように、JANコードが無い商品でも販売することができますし、在庫管理するためにインストアコードで管理することもできます。

例えば、大きなボトルに入っているジュースを紙コップに入れて販売したい場合に、ジュースの在庫を減らすだけでなく、消耗品である紙コップも在庫から引き落としたいというケースもあるでしょう。

そういう場合は、dPackでは「材料構成」を使って設定することで実現することができます。

詳しくはこちらをご覧ください。

商品マスタのダウンロードとアップロード

dPackの商品マスタのメンテナンスは、基本的にはPOSシステムの商品マスタが追加変更されれば、そのまますべて自動的に連携するようになるため、修正作業はほとんど必要ありません。(POS自動連携を設定している場合)

しかし、集計などの目的でdPack独自の項目を付け加えたい場合には、POSに存在しない情報を追加してあげる必要があります。

もちろん、dPackの商品マスタメンテナンスの画面でひとつひとつ修正できますが、複数の商品の修正を行う場合は作業の手間を省略するために、EXCELファイルでダウンロードして、修正し、そのままアップロードすることで、作業を効率化することができます。

ここでは、商品マスタの商品分類に登録した「集約商品」の値を追加する方法を説明します。

下記の例では、すでに他店舗で登録されていた「ビール 小」「ビール 中」「ビール 大」が商品マスタに存在しているものの、その「集約商品」という分類が登録されていません。

「取扱店舗」に「6」と表示されていることから、この3つの商品は他の6店舗ですでに販売していた商品だということがわかります。

この状態で、4〜6行目に表示されている「ビール中」と同じように「集約商品」の名称として「ビール」を登録していく方法を例にご説明します。

(1)商品マスタのダウンロード

商品マスタの画面を開いて、商品一覧画面で「ダウンロード」ボタンを押して、dPackに登録されている全商品のデータをダウンロードすることができます。

ダウンロードしたファイルはEXCELファイルですので、そのまま保存していただき、必要な修正を加えてください。

そのとき、EXCELファイルの列を削除したり、行番号の1行目(非表示にしています)や2行目(項目名が記載されています)を削除したり変更したりしないでください。(アップロードができなくなります)

3行目より下のデータについては修正することができます。

また、修正しない行についてはアップロードする前に削除して、メンテナンスしたい商品だけ残して修正していただいても大丈夫です。下記の例は、商品名に「ビール」という文字が含まれる商品だけ残して、それ以外の商品の行は削除しています。

メンテナンスは「集約商品」の名称に「ビール」を登録しています。

(2)商品マスタのアップロード

修正したEXCELファイルをそのままアップロードして、dPack商品マスタのメンテナンスを完了させることができます。

商品マスタの「アップロード」からファイル選択画面を開き、アップロードしたいファイルを指定してください。

これで、商品マスタのメンテナンスが一括でできるようになりました。

過去にすでに登録されていた「ビール 小」「ビール 中」「ビール 大」の「集約商品」の名称にもビールと登録できています。

これで、商品マスタの「集約商品」は修正されましたので、売上分析でも「ビール」として集計されます。

分析帳票サンプル集を公開しました。

最新の機能をすべて盛り込んだ「分析」機能の画面帳票のサンプル集を公開しました。

今までご要望も多く頂いており、長年にわたって機能追加が進められておりましたが、他に類を見ないdPackが最も得意とする機能でしたので、全貌を公開することにいたしました。

【例:月別売上画面】