EC店の売上をdPackに取り込むことはできますか?

最近増えているのが、実店舗ではPOSを導入しているものの、オンラインショップも出店しているので、それらを別々の店舗として管理し、それぞれの在庫管理も行いたいというご要望がよくお聞きします。

オンラインショップにはもちろんPOSは設置されていません。そのような店舗をdPackでは「POS無し店」と呼んで管理できるようにしています。

POS無し店の売上登録する方法は、次の3通りがあります。

(1)定期的に売上数量を商品ごとに入力して登録する
(2)ECサイトから売上データをダウンロードしてdPackにアップロードする
(3)ECサイトのAPIを使用して売上情報をdPackにデータ連携する

以下に、売上登録方法について説明します。

(1)定期的に売上数量を商品ごとに入力して登録する

dPackでは、従来から「POS無し店」という店舗を設定することができるので、POSが無くても売上情報を入力いただくことができ、その入力された情報を元に在庫数量を売上出庫として引き落としすることが可能です。

例えば百貨店のようにPOSが貸与されていて自社のPOSを設置できない場合に、百貨店POSの日計表などの情報を日次で入力することによって売上高と売上数量をdPackに反映するために使用していました。

下図は、POSの無い店舗で実際に売り上げ計上された情報を入力するための画面です。

EC店においても、日次または月次などの定期的に、ECサイトで取り扱っている商品の売上高と売上数量を入力することによって、EC店の売上管理や在庫照会をすることが可能になります。

一覧画面右上に定型登録という名称で、各種商品の一覧表を保存できるので、毎日入力をする場合でも商品一覧表に売上数量を入力するだけで作業完了となります。

なお、この方法で管理する「POS無し店」のdPack利用料は基本料金の60%引きの金額でご利用いただけます。

(2)ECサイトから売上データをダウンロードしてdPackにアップロードする

ECサイトでの商品点数が多種多様に渡り、件数が多い場合には手入力ではなく、ECサイトから売上データをダウンロードして、それをdPackの売上データアップロード機能を使用してdPackに取り込むことができます。

この機能は、ECサイトからダウンロードされたデータのレイアウト(項目の並び順や設計構造)をEXCElなどを使用してお客様がdPackの売上データのレイアウトに変換して、アップロードする方法です。

下図は、dPackの売上データアップロードのレイアウトです。

この図の上の段にあるのがヘッダー項目で、全行に同じデータが入っています。下段にあるのは明細行で、取引区分コードごとに売上高や決済金額などのデータを並べています。

なお、この方法で管理する「POS無し店」のdPack利用料は基本料金と同じ金額でご利用いただけます。

また、ECサイトからダウンロードされたデータをdPack用のデータに変換するプログラムを別途有償にて当社が開発してご使用いただくことも可能です。

(3)ECサイトのAPIを使用して売上情報をdPackにデータ連携する

上記のように定期的に行うのではなく、ほぼリアルタイムに近い頻度で売上データをdPackに取り込みたい場合は、ECサイトに用意されているAPI機能を使用することができることを前提に、別途有償にてAPI接続によるデータ連携も可能です。

これは、ECサイトのサーバーにあるデータベースをPOSのサーバーのそれと同じように接続するということですので、dPackから見ればECサイトはPOSと同じだということです。

ECサイトのサービスによってはAPI接続する場合に、その頻度によって料金が加算されるケースがありますので、それも含めて別途有償にて対応することになりますが、その分、より正確でリアルタイム性の高い売上分析と在庫照会を行うことが可能です。

このように、EC店の売上をdPackに取り込むことはできますので、利用形態に応じて適切な方法をお選びいただくことが可能です。

商品マスタのダウンロードとアップロード

dPackの商品マスタのメンテナンスは、基本的にはPOSシステムの商品マスタが追加変更されれば、そのまますべて自動的に連携するようになるため、修正作業はほとんど必要ありません。(POS自動連携を設定している場合)

しかし、集計などの目的でdPack独自の項目を付け加えたい場合には、POSに存在しない情報を追加してあげる必要があります。

もちろん、dPackの商品マスタメンテナンスの画面でひとつひとつ修正できますが、複数の商品の修正を行う場合は作業の手間を省略するために、EXCELファイルでダウンロードして、修正し、そのままアップロードすることで、作業を効率化することができます。

ここでは、商品マスタの商品分類に登録した「集約商品」の値を追加する方法を説明します。

下記の例では、すでに他店舗で登録されていた「ビール 小」「ビール 中」「ビール 大」が商品マスタに存在しているものの、その「集約商品」という分類が登録されていません。

「取扱店舗」に「6」と表示されていることから、この3つの商品は他の6店舗ですでに販売していた商品だということがわかります。

この状態で、4〜6行目に表示されている「ビール中」と同じように「集約商品」の名称として「ビール」を登録していく方法を例にご説明します。

(1)商品マスタのダウンロード

商品マスタの画面を開いて、商品一覧画面で「ダウンロード」ボタンを押して、dPackに登録されている全商品のデータをダウンロードすることができます。

ダウンロードしたファイルはEXCELファイルですので、そのまま保存していただき、必要な修正を加えてください。

そのとき、EXCELファイルの列を削除したり、行番号の1行目(非表示にしています)や2行目(項目名が記載されています)を削除したり変更したりしないでください。(アップロードができなくなります)

3行目より下のデータについては修正することができます。

また、修正しない行についてはアップロードする前に削除して、メンテナンスしたい商品だけ残して修正していただいても大丈夫です。下記の例は、商品名に「ビール」という文字が含まれる商品だけ残して、それ以外の商品の行は削除しています。

メンテナンスは「集約商品」の名称に「ビール」を登録しています。

(2)商品マスタのアップロード

修正したEXCELファイルをそのままアップロードして、dPack商品マスタのメンテナンスを完了させることができます。

商品マスタの「アップロード」からファイル選択画面を開き、アップロードしたいファイルを指定してください。

これで、商品マスタのメンテナンスが一括でできるようになりました。

過去にすでに登録されていた「ビール 小」「ビール 中」「ビール 大」の「集約商品」の名称にもビールと登録できています。

これで、商品マスタの「集約商品」は修正されましたので、売上分析でも「ビール」として集計されます。

NECプラットフォームズ「TRUE TWINSHOP」ともリアルタイムでつながります

iPadを使ったPOSだけではなく従来からのWindowsPOSとも接続したいというご要望にお応えして、NECプラットフォームズ社のご協力を頂き「TRUE TWINSHOP」ともリアルタイムデータ交換することになりました。

TRUE TWINSHOPの特徴は、大規模小売店チェーンにも対応できるスケーラビリティ(数的な拡張性)があげられます。すでにPOSを導入されている小売店の入れ替えにも適しています。

上記の説明に「基幹システムとも容易に連携でき」ると記載があるように、POSを上位システムと接続する設計思想が今までにない発想で、今後注目すべき商品です。

dPackはその設計思想に共感し、すぐにリアルタイム接続のプログラム開発を行いました。

これで、1店舗から数百店舗まで対応できるラインナップが整ったと自負しています。

 

 

dPackはPOSとリアルタイムでつながっています

dPackは、NECモバイルPOSとデータ交換を実現しています。

その日の売上データを5分間隔で自動的に取得していますので、売上金額などをd-Packの分析画面でほとんどリアルタイムに照会できます。

売上データには販売数量も含まれており、在庫数量から自動的に引き落としますので、リアルタイムに近い在庫数量を照会することができます。

(注意事項)

①データ交換は設定時間によって異なります。初期設定は5分間隔でデータ交換しています。

②NECモバイルPOSをオフラインでご使用された場合には、オンラインになってからの更新になります。

レシート内容の照会と修正ができます

もう20年以上前のお話になりますが、dPackをPOSとつなげたときにお客様から教わったことに「店舗のPOSでレシート削除をさせない」という経営方針がありました。店頭のPOSでレシート削除を認めると、お客様が帰られたあと返金があったかのように見せかけることができるので不正の温床になるというのです。

「本当に間違えたらもう一度入力しなおしてお客様に対応する。差額は返金等の対応をするが、間違えたレシートの削除については必ず本部に報告書を提出させて本部で修正する」

ということは、dPackに取り込んだレシートデータを画面上で照会できて、さらに削除することができるようにしなければなりませんでした。

さらに、その修正後の売上情報は経理システムに会計仕訳としてダウンロードしなければなりません。売上高の計上仕訳を、経理システムに手入力するのは店舗数が増えれば増えるほど手間がかかるのです。

dPackはPOSデータを取り込んで会計まで送信できる精度にチェックして確定させる必要がありました。

その機能を実現したのが「売上登録」です。

1.日次の売上データを総覧する

該当する月毎の日付単位でのいわゆる「Zレシート」に相当する情報が一覧表示されています。

データ交換によってPOSデータを取り込んで日別に集計した一覧表で照会できるようにしています。POSデータは売上情報だけでなく、その支払方法まで含まれています。会計仕訳を起票する際には、クレジットカード払いの区別もしなければなりません。


【便利な使い方】

クレジットカードは決済代行会社ごとに入金になりますので、「(借方)売掛金 / (貸方)売上」として仕訳計上する時に、決済代行会社の別に区分して計上したいというご要望を受けることがあります。その場合、店頭でクレジットカードの種別を分けられるように支払方法にクレジットカードの種類別にわけるという方法で対応されることが多いです。


それでは、売上日の修正をしてみましょう。日付をクリックするとレシート明細の一覧が表示されます。

2.レシートの売上日変更または削除

POSのレシートデータの修正で最も多いのは、売上計上日の間違いです。日次の締め処理(POSの閉設処理)をするのを忘れて、翌日もそのままPOSレジを操作してしまった場合に生じます。

売上計上の日付を間違えると、その日は売上データが存在しないことになりかねません。そこで、複数のレシートデータを売上日一括変更できるようにしています。

また、レシート削除についてもこの画面で行うことができます。間違えたレシート番号を本部に報告してしかるべき責任者の承認をもらってから、レシート削除の手続きが行われます。

3.レシート照会

削除する前に、レシートの指定が正しいかどうか確認します。削除したいレシート番号が報告されているとはいえ、そのレシート番号を書き間違っている可能性もありますので、レシートの内容を照会して確認したうえで削除するようにします。


【便利な使い方】

dPackでレシートデータを削除しても、POSのレシートデータまで消えることはありません。あくまでも正しい売上高を計上するためにこの「売上登録」機能を使います。

POSデータについては電子帳簿保存の要件を満たすように、入力されたそのまま、お客様にお渡ししたレシートの情報のまま保存されていて、dPackでは管理上の正確性を保つように修正することができるという使い分けになります。

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