POSの商品とdPackの商品マスタの自動連携について

dPackを導入すると、POSで登録した商品マスタはdPackにも2重で登録する必要はありません。それは、dPackの開発にいたった経緯から、必ずデータ連携することを実現してきたからです。

dPackにはPOSの機能がありません。これは、お店ですでに導入されているPOSレジがそのまま使えるよう、他社のPOSとデータ連携することを最初から目指したからです。

dPackの開発当時はまだ1台で100万円以上するPOSが主流でした。それを買い替えてもらうわけにはいきませんよね。

ですので、過去にたくさんの他社メーカーのPOSとのデータ連携を実現してきました。

そうしているうちに、POSについてもiPadで動作するクラウド型のサービスが始まりました。dPackは開発当時からブラウザで動くクラウドサービスでしたので、ようやくPOSが追いついてきたというわけです。

ここでは、最も導入実績の多いNECモバイルPOSとdPackのデータ連携を事例に、商品マスタの自動連携について説明します。

(1)自動データ連携の説明動画

まず、POSで登録された商品マスタからdPackにデータ連携するまでの説明動画をご覧ください。

(2)POSのポータルサイト(クラウド)

クラウド型サービスは、インターネットブラウザを通じてサーバーに接続して使用します。POSで使用する商品マスタの登録は、そのサーバーに登録することになります。

この画面は、NECモバイルPOSの「加盟店ポータル」サイトといって、POSの設定を行う画面です。SafariやEdgeなどインターネットブラウザを使ってアクセスします。

店舗と本部が離れている場合や、店舗が複数ある場合でも、店舗まで行かなくてもPOSの設定を変更できるように、クラウド上のサーバーでPOSの設定ができるようになっています。

ちなみに、この時点でdPackの商品マスタにもコピーされています。(後述)

(3)iPadで動作するPOS(アプリ)

店舗で使用するPOSは、iPad上で動作します。POSシステムはアプリで作られていて、Apple Storeなどからダウンロードしてインストールします。

POSシステムを起動すると、最初にサーバーからデータダウンロードするかどうかを確認されます。

これは、サーバー側にある商品マスタなどのデータが変更されているので、最新のデータに置き換えることをお知らせしてくれています。

ところで、POSシステムはどうしてアプリで作られているのでしょうか?

それは、インターネット接続が切れてしまっても、POS機能が使えるようにするためです。

インターネットが使えないからといって、お客様に注文やお会計ができませんなんて言えませんよね。

つまり、POSシステムは、アプリとしてiPadの中だけで動作するようにして、インターネット(主にWiFi)が再接続されたときに、サーバーに売上データを送信するように設計されているのです。

ですので、もし停電になってもお会計は可能というわけです。

(4)dPackとのデータ連携(クラウド)

dPackはPOSのサーバーと直接データ連携しています。POSで設定されている情報は、売上や商品だけでなく、部門や分類、消費税設定にいたるまで、すべてのデータをdPackサーバーにコピーしてきているのです。

ですので、POSのデータで集計したり分析したりする機能は、すべてdPackでも実現可能です。さらに、そのデータを使って在庫管理や売上分析に活用していくわけです。

完全なリアルタイムでサーバー接続するとサーバーに負荷がかかりますので、おおよそ5分毎にデータ連携しています。ですので、正確に言うと「ほぼリアルタイム」です。

例えば、POSで売上データが登録されると、POSサーバーに送信され、5分後にはdPackにコピーされて、ブラウザから売上分析ができるということです。

上記(2)でNECポータルで登録された商品は、それよりも前にdPackにデータ連携されています。

施設内に売り場が複数あり、POSも各売り場に設置されていますが、売り場ごとの在庫管理は可能ですか?

店舗や施設の中に複数の売り場が分散していて、それぞれにPOSが設置されているケースではその売り場ごとに「店舗」として運営するのではなく、施設全体を「店舗」として運営されていることがあります。その場合、NECモバイルPOSでは標準料金で3台までPOSを設置でき、さらに別途有償にて台数の追加も可能です。

このような場合、dPackも同様に施設全体を1店舗(=1拠点)としてご利用いただけますが、その場合は在庫管理は「拠点ごと」になってしまうので、商品の在庫数量は全売り場の合計つまり施設全体の合計数になってしまいます。ですので、そのままでは売り場ごとの在庫数量を別々に把握することはできません。

ただし、次の条件のどちらかに当てはまる場合には在庫管理が可能になります。

(条件1)POSの「部門」が売り場ごとに分けられていて、その取り扱い商品が異なる場合
(条件2)同じ商品であっても「部門」ごとに別商品としてPOSに登録されている場合

それでは、その2つの条件を詳細に見ていきます。

(1)POSの「部門」が売り場ごとに分けられていて、その取り扱い商品が異なる場合

dPackの商品マスタは原則としてPOSの商品マスタと自動連携していますから、POSに登録された商品がそのままdPackの商品マスタに自動的に連携されます。そのとき、POSで登録された「部門」を在庫管理に使用することができますので、上記の条件を満たせば部門ごとの在庫管理を行うことが、結果的に売り場ごとの在庫管理と同じになります。

上記の(条件1)の場合には、そもそも各売り場で取り扱っている商品が全て異なっており、同じ商品を複数の売り場で販売することが無いのですから、施設内の商品在庫数を合計したとしても、dPackでは部門ごとにそれぞれの商品在庫数がわかるので問題ありません。

(2)同じ商品であっても「部門」ごとに別商品としてPOSに登録されている場合

少し手間がかかるのが上記の(条件2)の場合になります。その理由は、仕入れた商品と販売する商品のコードが異なる状態で使用するためです。

例えば、POSの商品マスタの設定が次のようになっていたとしましょう。

POS商品マスタ  
POS部門POS商品コード(JAN)POS商品
売り場X2 900001 000001商品A(売り場X用)
売り場Y2 900002 000002商品A(売り場Y用)

POSでは「部門」ごとに商品を登録する必要がありますので、上記の「商品A」は同じものであっても、POSでは商品コードが異なる別の商品として登録しなければなりません。(※ 29から始まる14桁のPOS商品コードは社内だけで使用するインストアコードを表しています。インストアコードはJANコードの無い商品の管理に便利です。詳しくはこちらをご覧ください)

POSとのマスタ自動連携を選ばれた場合(当社が初期設定にて登録します)は、自動的にdPack側でも次のように商品マスタがコピーされます。

dPack商品マスタ   
dPack部門dPackPLUコード(JAN)dPack商品コードdPack商品
売り場X2 900001 00000100000 00001商品A(売り場X用)
売り場Y2 900002 00000200000 00002商品A(売り場Y用)

上記のように、「部門」もJANコード(=PLUコード)も、商品名もすべてPOSとまったく同じデータがコピーされるようになっています。(※ dPack商品コードは自動的に採番されます)

さて、商品Aが仕入された時の仕入先商品コードが「S-12345678」だったとしましょう。この商品を仕入する場合には、材料マスタに次のように登録します。

dPack材料マスタ  
dPack部門dPack材料コードdPack材料
物流倉庫S-12345678商品A(仕入状態)

(dPackでは仕入商品を「材料」と呼んでいます。詳しくはこちらをご覧ください)

さて、この状態で商品Aを100個仕入たとしましょう。在庫が増減したときは必ず移動伝票を入力します。移動伝票を仕入区分で入力すると、在庫照会の画面は次のように表示されます。

dPack在庫照会      
dPack部門dPackPLUコードdPackコードdPack品名仕入売上在庫
物流倉庫(なし)S-12345678商品A(仕入状態)1000100

この状態でPOSで売り上げたとしましょう。例えば売り場Xで20個、売り場Yで10個の売上があったとします。

商品Aは外部の仕入先から仕入したときには商品コード「S-12345678」で仕入していますが、この施設内では売り場に応じて部門を分けて管理しているので、社内専用のコード(インストアコードと言います)で商品登録しています。ですので、このままでは、次のように在庫数がマイナスになってしまいます。

dPack在庫照会      
dPack部門dPackPLUコードdPackコードdPack品名仕入売上在庫
売り場X2 900001 00000100000 00001商品A(売り場X用)020-20
売り場Y2 900002 00000200000 00002商品A(売り場Y用)010-20
物流倉庫(なし)S-12345678商品A(仕入状態)1000100

これを解決するために、物流倉庫から売り場に商品Aを補充するときに「移動伝票」を使って名前を変換してあげなければなりません。具体的には、店舗に補充したタイミングで次のように在庫移動の入力をします。(在庫移動画面で下記の3行を3回に分けて入力します)

dPack在庫移動    
移動区分dPack
部門
dPack材料コードdPack品名移動
補充出庫物流倉庫S-12345678商品A(仕入状態)30(-)
補充入庫売り場X00000 00001商品A(売り場X用)20(+)
補充入庫売り場Y00000 00002商品A(売り場Y用)10(+)

ここで、移動区分として使用している「補充出庫」「補充入庫」は、事前に移動区分として独自に登録し、わかりやすく表示した例になっています。(このように、dPackでは入庫と出庫などのグループ別にそれぞれ10種類の独自区分を登録することができます。)

その結果、次のように正しい在庫数量が表示されました。

dPack在庫照会        
dPack
部門
dPack
PLUコード
dPackコードdPack品名仕入補充
入庫
補充
出庫
売上在庫
売り場X2 900001 00000100000 00001商品A(売り場X用)0200200
売り場Y2 900002 00000200000 00002商品A(売り場Y用)0100100
物流倉庫(なし)S-12345678商品A(仕入状態)100030070

つまり、物流倉庫から店舗に補充されたときに、在庫移動によって商品をPOS用に変換していると考えていただけるとわかりやすいです。このように設定すると、売り場(=部門)ごとの在庫管理が実現できます。

なお、棚卸についても同様に、部門別に棚卸しをカウントすることが可能です。詳しくはこちらをご覧ください。

上記の設例では、仕入品「商品A(仕入状態)」を「商品A(売り場X用)」と「商品A(売り場Y用)」のように売り場別に分けて商品登録し、売り場ごとの在庫数量を管理できるようにしましたが、これとは反対に売り場で異なる商品を販売してもひとつの仕入品の在庫数量として合計して管理したい場合にもdPackは対応しています。詳しくはこちらをご覧ください

また、POSに登録した商品を部門ごとに別商品として登録したものの、売上高はやっぱりひとつの商品として売上合計で見たいという場合にも、dPackの売上分析機能を駆使して実現することができます。詳しくはこちらをご覧ください。

任意の時間帯を設定して売上分析を集計したい

dPackでは売上分析の機能のひとつに「時間帯別の集計」をする機能があります。時間帯というのは12時台、13時台などの1時間ごとの集計だけでなく、昼営業の営業時間帯や夕方だけの時間帯など任意の時間帯を設定して自由に集計することができます。

集計の対象となる時刻はレシートに含まれる時刻を基準にしており、会計時の時刻と初回オーダー時の時刻の2種類で集計することができます。会計時の時刻を基準に集計すると店内滞留後になってしまいますが、初回オーダー時での集計は、来店時刻に近い集計をしたいときに便利です。

ここでは、時間帯の登録方法と、その集計結果を部門別に照会する方法をご説明します。

(動画での操作方法は下記をご覧ください)

(1)時間帯の登録

dPackで任意の時間帯を登録するには、時間帯マスタを使用します。

時間帯マスタで登録された時間帯の定義(ルール)は、売上分析画面で指定することができます。つまり、時間帯マスタでは「任意の時間帯」をさらに数種類持たせることができるということです。昼営業と夜営業の担当者が異なる場合には、昼営業を1時間ごとに細分化して夜は合計で良いという集計が可能ですし、その逆も可能です。

時間帯の定義が複数設定できるので、分析画面で見たい定義を目的に応じて切り替えすることができます。

それでは、営業時間帯を設定してみます。
メインメニュー > マスタ管理 > 分析関係 > 時間帯一覧の順に画面を進めて、「新規登録」を押します。

次の画面「時間帯マスタ種類」で時間帯マスタの名前を登録します。売上分析画面で時間帯種類を選択指定するときにこの名称を一覧から選択するのに使用します。ここでは「営業時間帯」という名称で登録しました。

次に、任意の時間帯を登録します。

時間帯一覧の画面に戻ると、新しく「営業時間帯」という時間帯種類名が表示されていて、その「時間帯数」がゼロになっているのが見えるでしょう。

これは、まだ何も時間帯の定義が登録されていないことを示しています。

そこに、次のように時間帯の定義を登録したいと思います。お昼の時間帯だけ1時間ごとの売上数量と売上高を集計し、それ以外の時間帯はその営業時間帯の合計だけで良いという事例です。

   昼11時台 昼12時台 昼13時台 
部門売数売上高売数売上高売数売上高売数売上高売数売上高
料理99999999999999999999999999999999999
ドリンク99999999999999999999999999999999999

さきほど確認した「時間帯数」の「ゼロ」をクリックして、「新規登録」から「時間帯マスタ」の登録画面に進みます。

この入力例は、昼の11時台を登録している入力例です。上の画面の時間指定の入力例は11時00分から12時00分までという意味です。

これで11時台の集計が行えるようになります。

同じように、任意の時間帯を複数登録を繰り返します。このとき、時間帯が重複しないように気をつけてください。1日の合計金額と違算が出る可能性があります。

(2)売上分析画面での時間帯の指定

ここまでで時間帯の設定ができました。そこで、売上分析の時間帯別分析画面を確認してみましょう。

メインメニュー > 分析 > 売上分析メニュー > 部門別メニュー > 売上(時間帯別)と進みます。

画面上部の検索条件指定画面にて、「時間帯」という条件指定欄に「営業時間帯」が新しく登録されているのが確認できますので、これを指定します。

この状態で検索ボタンを押すと、指定された任意の時間帯で売上集計画面が表示されました。

時間帯を選択する欄の右側にあるマークを押すと、時間帯の基準になる時刻を変更することもできます。

POSで登録された異なる商品を売上分析では同じ商品として集計したい

店舗で使用するPOSでは部門ごとに商品を登録することで、商品を探し出すのを容易にしたり打ち間違いを防止するように設定されることが多いです。その「部門」を使って、例えば、売り場ごとのメニューを切り替えたり、ランチメニューとディナーメニューを分けたり、仕入先として部門を使用したりと、POSの「部門」はいろいろな用途に使用されることが多いです。

ところが、POSの商品マスタでは1つの商品に対して1つの部門という1対1の関係で登録する必要があるので、もし複数の部門で同じ商品を販売したい場合には、それぞれの部門に同じ商品を登録しなければなりません。

ところが、経営管理上は、そのような別々に登録された商品を、同じ商品として集計し、売上数量や売上高を管理したいということがよくあります。

具体的な例として次のようなケースを考えてみます。

部門商品名販売価格(税込)
ホールビール中(ホール)500円
テラスビール中(テラス)600円
カウンタビール中(カウンタ)450円

このように、同じ商品であっても時間帯や提供場所などで販売価格も異なるというケースに対応するために、販売価格が異なる複数の商品として登録されていることもあるでしょう。

NECモバイルPOSではこのように表示されます。

このままでは、次のように、dPackにマスタが自動連携された時に、3つの別々の商品としてマスタデータ連携されてしまいます。

また、売上分析で商品別売上の集計を照会すると次のように商品別に表示されます。

さて、売上分析の目的によっては「ビール」の合計を見たいという場合もあります。その場合には、dPack側で「商品分類」を追加して、売上分析を商品分類で集計された状態で表示することができます。その関係を先ほどの図で表すとこうなります。

部門商品名販売価格(税込)商品分類「集約商品」
ホールビール中(ホール)500円ビール
テラスビール中(テラス)600円ビール
カウンタビール中(カウンタ)450円ビール

(1)商品分類マスタを使用する準備をする

商品分類は、商品分類マスタでユーザーが任意の名称で登録できる分類です。例えば、ブランド、色、サイズなどの商品の規格について登録したり、異なる商品を集計したいときに使うよう設計されています。まずはこの「商品分類」を使用する準備をします。ユーザーが自由に設定できる分類は5種類までです。

次の例では、あらかじめ「予備」という名称で5つ目に初期設定されている商品分類を使用して、「集約商品」として使用できるように設定しています。

ここでは、商品分類名を「集約商品」という名称で登録しました。この画面で「使用区分」を「使用」に変更することで、商品マスタ詳細の画面上に、「集約商品」という入力欄が新しく追加されます。

ここに、集約したときの商品名を入力します。この例では「ビール」という名称を登録しました。同様に、他の2つの商品についても集約商品に「ビール」と登録しておきます。

これで、異なる複数の商品を同じ商品分類で集計する準備は完了です。

(2)商品別売上分析の表示項目を追加する

dPackの商品別売上分析は、上記(1)で設定した「商品分類」で集計表示することができます。しかし、商品マスタに「集約商品」を登録しただけではまだ集計されず、元の商品名で集計されたままです。

この画面では、表題部に「商品内訳」と表示され、その下に「部門」「商品コード」「商品名」の3項目が表示されています。このように、今はその3項目が集計単位になっているため、各商品ごとの数量合計と金額合計が表示されているのです。(上の例では複数の売上レシートの情報が集計されています)

そこで、この「商品内訳」の表示を、その3項目ではなく、「集約商品」に変更して集計すれば、「ビール」という集約商品名で合計することができます。まず確認のために「集約商品」を表示してみましょう。

売上分析画面では、ユーザーが表示したい項目を自由に制御することが可能です。検索条件の右端にある「+」を押して、検索条件設定の画面を開きます。

そこで、「表示する項目の設定」を開いて、「商品内訳」の「集約商品」を表示するチェックを入れて保存すると、「集約商品」が表示されます。

このように、「集約商品」の「ビール」が表示されました。

(注)メニューの短縮表示について

会社名の左側にあるメニュー表示ボタンを押すと、メニューを短縮表示できます。

そのとき、売上分析の表示が、右端が空白になるときは、再表示を押してください。

(3)商品分類「集約商品」で集計する

ここまでの作業では、集計したい集約商品名を正しく登録できているかを確認しただけでした。次に、その「集約商品」で集計するように変更します。

dPackの売上分析は、項目の集計ルールとして

  • 分析画面で表示されている項目で合計して表示する

という機能があります。これを使って「集約商品」で集計してみましょう。

さきほどと同じように、「表示する項目の設定」で、

  • 部門
  • 商品コード
  • 商品名

のチェックを外します。

合計の対象が「集約商品」だけになって、表示されることが確認できました。

この「表示する項目の設定」は、次にこの画面を開いた時にもその設定が保存されていますので、毎回設定を行う必要はありません。

(4)商品マスタのメンテナンスの便利な方法

このように、商品分類に設定した「集約商品」という分類で集計することができましたが、このように部門ごとにバラバラに登録された商品のひとつひとつに商品マスタの画面を開いて「集約商品」の名称を登録することは大変かもしれません。

dPackは基本的にPOSからマスタ情報を自動連携していますが、この商品分類の「集約商品」はdPack上にだけ存在するマスタ項目であるので、POSに商品を登録しただけでは追加されず、dPackの商品マスタにも入力しなければならないのです。もし、このような集約したい商品がたくさんある場合には、dPackの商品マスタを全商品の画面を開いて入力するのは大変です。

そこで、dPack商品マスタにはEXCELファイルでのダウンロードとアップロードでマスタメンテナンスできる機能があります。

その詳しい操作方法についてはこちらをご覧ください。

dPackには商品マスタと材料マスタがありますが、どのように使い分けますか?

dPackでは、経理処理で売上と仕入を区別して処理できるように、

売上で使用する品目を「商品」

仕入で使用する品目を「材料」

という名称で、区別して管理することができるようにしています。これは日本のほとんどの企業が、経理処理において三分法で処理しているため、その商習慣に沿って設計しています。

この設計によって、セット商品などの組み合わせ商品とバラ商品の在庫管理が実現できています。(セット商品の登録と在庫管理についてはこちらをご覧ください)

それでは、まず売上で使用する「商品」について説明します。

(1)商品マスタ 〜売上のために使う

メニューから「マスタ管理」>「商品関係」を選択すると、商品マスタに関係するメニューが表示されます。この画面にある「商品一覧」メニューが商品マスタの入り口で、その主な機能は次のとおりです。

  • 売上数や金額を集計することができる
  • POSと自動連携することができる
  • 販売単価(売価)を持たせることができる
  • 部門などで集計することができる

このように、POSとの連動や売上分析に使用するのが「商品」です。

商品一覧メニューを押し、次の画面で検索ボタンを押すと、次のように「商品マスタ一覧」が表示されます。

この画面では、POSから自動連携された商品が一覧表示されています。

例えば、この画面の「PLUコード」は、POSで登録されたJANコード(POSでは「商品コード」と呼んでいます)が自動連携されて表示されています。

ここでPOSの画面を見てみましょう。

POSで登録された情報とまったく同じ内容が、dPackの商品マスタに自動連携されています。

つまり、dPackの商品マスタは、

売上に関する集計をしたり分析するのに使用する=商品マスタ

と、覚えてください。

POSと自動連携している場合には、dPackの商品マスタは、ほとんど変更することがありません。POSでしっかりと正しいデータが登録されていれば、dPackではそのまま流用することができます。

(2)材料マスタ 〜仕入のために使う

メニューから「マスタ管理」>「材料関係」を選択すると、材料マスタに関係するメニューが表示されます。この画面にある「材料一覧」メニューが材料マスタの入り口で、その主な機能は次のとおりです。

  • 在庫を管理することができる
  • 仕入先に発注することができる(dPack Businessの機能になります)
  • 仕入単価を持たせることができる
  • 最終仕入原価法または月次総平均法で棚卸資産評価額を計算することができる

このように、仕入先との取引や在庫の管理に使用するのが「材料マスタ」になります。

材料一覧メニューを押し、次の画面で検索ボタンを押すと、次のように「材料マスタ一覧」が表示されます。

この画面では、発注にも使用する仕入単価や在庫数量を数えたときの計測単位(個やグラムなど)が表示されています。

つまり、dPackの材料マスタは、

発注仕入や在庫に関する集計や資産評価に使用する=材料マスタ

と、覚えてください。

(3)自動連携 〜面倒なマスタメンテから解放されるために

ところで、この画面例では、ほとんど商品と同じ品目が、表示されていますよね?これは、売上で使用する「商品」と、仕入で使用する「材料」がほとんど同じだからです。

その状態を、「商品と材料が1対1の関係にある」と呼んでいます。

これは小売店でよく見られるケースですが、それでも、仕入先への発注品名と売上でレシートに表示される品名を異なったものにしたいという場合もあるでしょう。そういう使い方に対応するために、商品マスタと材料マスタに区別しています。

ところが、その状態だと「商品マスタはPOSと自動連携だけれど、材料マスタは手入力で登録」することになり、とても手間がかかりますよね。ですので、

自動連携は商品マスタだけでなく、材料マスタにも自動連携できる

この機能は、dPackの初期設定で、お客様の希望により当社がシステム設定します。

小売店では、ほとんどの商品が材料と1対1の関係にあるので、この設定をあらかじめ行うことで材料マスタの登録メンテナンスからも解放されることになります。

商品と材料の関係が1対2以上の関係になる場合を「セット品」や「加工品」として管理したい場合は、こちらをご覧ください。