dPack dx-EDIの発注から納品までの画面操作について

dPack Businessをお使いのお客様は、仕入先とのデータによる発注仕入の機能「dPack dX-EDI」を有償オプションでご利用いただくことができます。

dPack dx-EDIには、発注仕入データファイルを交換するFTP EDIと、仕入先がインターネットを通じてブラウザから受注データを取得するWeb EDIの2通りが選択できます。

ここでは、仕入先がインターネットブラウザで受注、ピッキング、出荷まで行うWeb EDIの操作方法を説明します。

設例:

(発注側=dPack Businessユーザー)
DMCデモ株式会社 阿倍野店

(受注側=dPack dX-EDIユーザー)
えびすや

(1)店舗からの発注

店舗から、発注権限のあるユーザーがログインして、仕入先を選んで発注します。。

仕入先にはあらかじめ発注可能な品目(その仕入先の取扱品目)が登録されているので、その中から選んで発注数量を入力するだけです。

(2)仕入先の受注と出荷作業

仕入先の「えびすや」では、dPack EDIの画面から受注内容を照会することができます。その画面からCSVデータをダンロードして、自社の倉庫管理システムへ出荷指示データとして取り込むことができます。

倉庫管理システムがなくても、倉庫の在庫置き場所別にピッキングリストを印刷することができるので、簡易的な出庫管理が可能です。

ここで、材料名「昆布だし」が店舗から4袋の発注があったにもかかわらず、倉庫に残り3袋しかなかったため、その旨を店舗に相談して、とりあえず3袋だけ納品して欲しいと合意したとします。

ですので、発注金額と出荷金額が異なることになりました。

(3)店舗の納品処理

EDIによって、店舗と仕入先はデータでつながっています。仕入先から出荷された情報はすぐに店舗でそのまま納品処理できます。(実際には運送会社が運んでいる間は納品待ち状態です)

店舗の納品担当者がログインすると、過去に発注した情報と、仕入先から納品される入荷予定の情報が一覧できるようになっています。

納品担当者は、実際に到着した品目を納品伝票で検品して、納品したことを画面上でデータ確定させるだけで、納品と仕入の作業が完了します。

これで店舗側の納品処理は完了し、在庫に入庫計上されます。

(4)仕入先の進捗管理

仕入先では、出荷した商品が店舗に問題なく到着したか、その納品処理が処理されたかを知る必要があります。

dPack dx-EDIでは、出荷明細照会の画面で、その出荷済みの伝票ごとにどこまで処理が進んでいるかが確認できます。

店舗での処理から本部での確定処理、経理部門での締め処理から支払処理までの進捗状況がこの画面から確認することができます。

店舗側で納品処理が行われた時に、単価の間違いや数量の不足などのイレギュラーが生じている場合に、納品伝票が修正されていることがあります。その場合には、伝票確認画面で仕入先からもその内容が確認できます。

(5)仕入先の照合と入金予定

店舗側で締め処理が行われ、支払が確定されると、仕入先の入金予定として表示されます。

店舗側の本部にて支払い確定したあと、仕入先では支払明細書(請求書)をPDFファイルでダウンロードでき、その情報を伝票単位で画面にて確認することができます。支払明細書はインボイス対応していますので、店舗側では仕入先からの適格請求書として使用することができます。(国税庁:インボイス制度に関するQ&A 問88

仕入先は請求書の発送が必要なくなりますし、店舗側では納品事実を仕入先に連絡することで、納品書と請求書の照合作業から解放され、大幅な合理化が可能です。

POSの商品登録の途中で保留して次のお客様の商品登録をできますか?

はい、可能です。

お会計で商品登録をしている途中に「ちょっと待って」とおっしゃって買い忘れた商品を取りに行かれる方がおられたときに、登録した途中までの状態を保留して別保存しておき、次のお客様のお会計手続きに進むことができます。

NECモバイルPOSでは、商品登録の画面上に「保留」というボタンがありますので、それをタッチするとそこまで登録していた状態を別画面に一時保存することが可能です。

保存できるのは1件だけですので、そのお客様が戻ってこられたら、「保留あり」をタッチして画面に再表示してお会計まで済ませることが可能です。

棚卸を置き場ごとに分けて行うことができますか?

店頭や倉庫などの棚卸作業は、複数の担当者で行うことがほとんどです。できるだけ棚卸作業には時間をかけずに、店舗の営業時間を確保したいというのがどのお客様からもよくお聞きします。

dPackでは、棚卸作業を在庫区分あるいは置き場の登録によって分けられた棚卸原票を事前に準備して、複数担当者で並行して棚卸カウント作業を行うことができます。

(1)在庫区分の登録

POSに登録された部門が、そのまま在庫区分として使用される場合には、当社の環境設定にて自動的に在庫区分が登録されるように設定します。その使い方についてはこちらをご覧ください。

この方法を使用される場合は、本稼働前に営業担当にお伝えいただくか、本稼働後ではサポートにご連絡いただければ途中から変更することも可能です。

ここから以下は、置き場の登録を使用する場合の棚卸方法を説明します。

(2)置き場の登録

POS部門や在庫区分を使用しない場合には、置き場を使用することができます。置き場の特徴は同一商品(=材料)を複数の置き場に保管している場合に、それぞれの置き場ごとに棚卸するために使用します。

まず初めに、置き場の登録です。置き場は店舗ごとに異なるため、店舗マスタのロケーションから登録します。この画面上ではすでに3つの置き場が登録されている状態です。

この「3件」をクリックすると、すでに登録されている置き場が照会できます。(将来的な機能追加でロケーション管理を想定しているため、項目名称を「ロケーション」としています)

この置き場の「薬品棚」に置かれている商品(=材料)を登録することができます。この例では12件の商品が事前に登録されています。

(3)棚卸のカウント作業

棚卸作業は、すべての商品(=材料)を行う必要はありません。置き場ごとに分けて循環棚卸することも可能です。(棚卸入力がされた品目だけが実地棚卸数として置き換えられます)

ですので、棚卸をする日は毎日でも週ごとでも、任意の日付で行うことができます。

ここでは、3月31日を指定して棚卸作業を開始します。

棚卸の計画を追加することで、棚卸作業一覧の最上段に、3月31日付け棚卸計画が登録されます。作成数の欄に4と表示されているのは、この店舗の取り扱い品目を自動的に棚卸原票として一覧表にして発行したことを表しています。

ここで、棚卸日をクリックすると、まず置き場別になっている状態が表示されます。

ここで、薬品棚の棚卸入力画面を開いて入力します。

この画面の右端にある「済」となっている品目だけが棚卸数量として反映されるので、このまま棚卸確定をしても、棚卸をしていない「未」とされている品目の帳簿在庫が置き換わることはありません。

また、この画面でダウンロードをすることで棚卸原票のEXCELかPDFのどちらかをダウンロードすることが可能です。

また、EXCELダウンロードしたときには、EXCELファイルに棚卸数量を入力してアップロードで入力に替えることもできます。(下記の例は、ひとつ前の画面ですべての置き場の品目をダウンロードした例です。)

このように、dPackでは棚卸作業を徹底的に効率化するよう機能追加することを常に目指していますので、これからも進化させてまいります。

在庫金額だけの入出庫一覧は作成できますか?

dPackの在庫照会は、前月残数に当月の仕入と売上を加算減算して、現在の在庫数を表示することができます。

さらに、在庫の評価金額を指定することで、月次総平均法、最終仕入原価法、標準原価による評価の3種類が選択できます。(使用する単価は1事業所に1種類です。在庫種類ごと店舗拠点ごとに異なる方法は使用できません)

在庫数量までは必要なく、金額ベースだけで在庫の入出庫を管理して、在庫金額を把握できれば良いという場合には、在庫照会の画面の項目編集を選択して、数量に関する項目を非表示にすることで、金額だけ表示した在庫一覧表を照会することができます。

一方、売価還元法のように、金額のみで在庫の評価を行う場合があります。

dPackでは金額(それが売価なのか原価なのかにかかわらず)だけで、表示したい場合には、上記の表示項目を切り替えて数量欄を非表示にするだけでは十分ではありません。

dPackの在庫管理はSKU(Stock Keeping Unit=在庫管理単位)でもって、継続記録法によって管理する方法が原則なので、ある商品の入庫と出庫を登録しなければ在庫数量は算出できませんし、その評価金額も計算できません。

売価還元法のような金額だけで評価するという場合には、SKUでの入出庫を記録する必要はないので、品目ごとの仕入高を把握する必要もありません。いくつかの品目を分類した部門など同質性のある品目のグルーピング(売価還元法であれば利益率群で分けるなど)でもって集計することがほとんどです。

これに対応するために、dPackでは少し変則的な運用ルールが必要になります。

(1)マスタ設定

まず、同質性のある品目のグルーピングを「部門」として登録して、POS商品を登録します。

以下の例では、部門に「原価で在庫管理」という部門名を設定し、その中に4つの商品を登録しました。

1行目の「仕入金額入力用の品目」というPOS商品を登録しました。この商品はPOSでは販売しませんが、dPackに自動連携したいのでここで入力しています。この商品の原価を1円で設定し、売価は0円にしました。

2〜4行目には「POS販売の商品A~C」の3品目を登録しました。この3品目は実際に店頭でPOSから売上計上うする商品です。

これらの設定がdPackに自動連携されたのが次の画面です。

1行目が原価1円になっています。商品A~Cは正しい原価を入力しました。この原価は標準原価として材料マスタに自動的にデータ連携されています。

(2)仕入高の入力

次に、実際の仕入高を入力してみましょう。

もし納品伝票が複数の仕入商品で何行にもわたって並んでいたとしても、その仕入商品が同じ部門であり、部門「原価で在庫管理」にグルーピングされたものなら、伝票の合計金額を入力するだけです。

ただし、ここで注意点は、イレギュラーな使い方であるので、単価1円の商品を金額に相当する数量分を仕入れたという入力をする必要があります。

ここで、商品名「仕入金額入力用の品目」は、原単価を1円にすることで、入庫させることになります。金額はあくまでも数量×単価なので、結果は同じ123,456円の仕入高になります。

(3)売上高の入力

売上はPOSを使って入力しますから、商品のJANを読み込んで商品を選択したり、売上分析にも使用しますので、どうしてもSKU単位で処理することになります。

ですので、処理方法は他の商品とまったく同じです。

ここでは、それぞれの商品A~Cを上記のように売り上げたとしましょう。

(4)部門金額合計の在庫照会

ここまで来るともうおわかりかと思いますが、それぞれの商品ごとの在庫数量や在庫金額はこの状態では計算することができません。入庫した商品(=材料)と出庫した商品が異なるわけですから、差し引きが合うわけがありません。実際に在庫照会を見てみましょう。

商品A~Cは在庫数量を見るとマイナスになっています。その商品が入庫した履歴がないからです。

一方で、この部門を代表する品目として、123,456円の仕入れが計上されています。しかし、その品目が出庫された形跡はありません。

この状態では数量欄にはまったく意味がないので、項目編集で非表示にします。

すると、このように金額だけで入出庫が表示されます。

あくまでも金額ベースでの在庫管理なので、個々のSKUの金額には意味はありません。その合計である金額だけが参照対象になる部分です。

この部門の在庫金額は119,906円であることがわかります。

このように、dPackでは少し変則的な使用方法にはなりますが、金額ベースでの在庫照会が可能です。